若年性脳梗塞
(写真=PIXTA)

脳梗塞(こうそく)や脳出血、くも膜下出血といったいわゆる脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりして出血する病気だ。60歳以上に多く発症し、70~80代でピークを迎えるため、高齢者の病気と思いがちだが、脳梗塞は、実は40代以下でも起こりうる疾患である。

通常の脳梗塞の場合、主な原因は動脈硬化。肥満や高血圧、脂質異常などによって動脈硬化が進み、脳梗塞が引き起こされる。

「首を回すクセ」で血管は損傷する

これに対し「若年性脳梗塞」は、動脈硬化以外の様々な原因で引き起こされる。「首を回すクセ」や、「スポーツや事故などで頭部や首に強い衝撃を受ける」などによる血管の損傷もその一つ。また、血管や心臓、免疫系の病気といったその人がもともと持っている血管障害なども原因と指摘されている。

そのうち因果関係が比較的はっきりしているものとして「奇異性塞栓症」や「もやもや病」がある。

奇異性塞栓症は、足などの静脈系にできた血栓が脳血管系に移動してしまう病気。もやもや病は脳の毛細血管が拡張して網の目のように広がるもので、血管造影検査で、もやもやした煙のように見えることが名前の由来だ。

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脳梗塞の「警告発作」、4つの前兆に注意

これらの病気には、脳梗塞の前段階ともいえるサインが前触れもなく突然、現れることが特徴だ。それが一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる4つの症状である。

  1. 半身の麻痺(手足や顔の一部が自分の意志で動かせなくなる)
  2. 感覚障害(しびれや脱力感、思った通りに体が動かしにくい)
  3. 言語障害(ろれつが回らず、言葉が出なくなる)
  4. 視覚障害(片目だけが見えにくくなる、片側にあるものが見えなくなる)

こうした症状は、24時間以内に一旦なくなり、人によっては油断して放置してしまう。その結果、3カ月以内に15~20%の人が脳梗塞を発症してしまうというデータもある。明らかに脳梗塞の前触れ、「警告発作」であるという認識で、すぐに専門医を訪ねるべきだろう。