SNSは今や人々の生活に欠かせない。企業にとっても、消費者、利用者のダイレクトな意見を救い上げられるため、マーケティングにおいても不可欠になっていると言えるだろう。
ICT総研の調査によると、2014年末におけるSNSの利用者数は6451万人で、日本国民全員の半分以上が使っている計算だ。インターネットユーザーの約7割がSNSを使っており、Facebookやtwitter、ミクシィ、グリーといったSNSが栄枯盛衰を繰り広げてきた。
その中で現在、新たなSNSの主役候補として注目を浴びているのが、「スナップチャット」である。日本のSNSのトレンド推移を振り返り、「スナップチャット」がなぜ注目を浴びているのかを見てみよう。
ミクシィ対グリーから、Facebook&Twitterの両雄時代へ
日本国内のSNS事情は、日本企業がパイオニアとなり、外資の本格参入で市場が発展してきた。さらに、容易なコミュニケーションを実現するLINEの参入で競争が激化という歴史を辿ってきていた経緯がある。
日本におけるSNS元年は2004年といわれる。同年2月にグリー、3月にミクシィがオープンしたからだ。現在は、スマホゲームの開発を主要なビジネスとして手掛けているミクシィとグリーは、最初はSNSの企業としてスタートしており、国内最大のSNSの座を競った過去もあるのだ。
ミクシィとグリーという日本発のツートップが主導して、牽引していたSNSだが、2008年に新たな動きが起きる。Facebookが日本語版を公開するとともに、4月にTwitterの日本語版がスタートしたのだ。FacebookとTwitterという外資大手が日本市場に本格参入することで、国内SNSのシーンも大きく変わったといえるだろう。
さらに、2011年3月に起きた東日本大震災ではSNSの安否確認等で大きく役立ったことから、SNSの重要度がクローズアップされた。この年の6月にはLINEの初版がリリースされる。2014年2月にはInstagramが日本語版公式アカウントをリリースすることで、現在日本で主に使われているSNSが揃う格好だ。
若者の「Facebook離れ」が起きている?
次に日本のSNS市場を利用率から見てみよう。大きな存在感を示してきたFacebookも盤石であるとはいいにくい現実も垣間見える。利用率データからは、Facebookの若者離れが起きていることが読み取れる。
ICT総研のデータによると、2015年度のSNS利用率トップはLINEで57.5%、次にTwitterの36.6%。Facebookの34.7%が続き、Skype、Google+、Instagram、ミクシィが10%強の利用率となっている。利用率では、LINE、Twitter、Facebookが3強となっており、Facebookもまだまだ上位に食い込んでいる格好だ。
一方、利用率の推移で見ると、Facebookの凋落が見て取れる。先ほどのデータによると、LINEの利用率は27%(2013年度)、47.6%(2014年度)、57.5%(2015年度)と順調に増加しているが、Facebookの利用率は34%(2013年度)、41.9%(2014年度)、36.6%(2015年度)と減少を続けている。
Facebookの利用率が低下している要因は、10代のFacebook離れが進んでいることである。ジャストシステムの発表では、10代のFacebook利用率は、2015年4月が45.8%であるのに対し、半年後の10月が31.0%、1年も後の2016年4月が27.0%と、1年で18.8ポイントもの大きな減少をたどっている。