ドイツの業者によると……

実際にここ10年はベルリン不動産取得価格の平均値が上昇しつづけており、直近の5年では約1.5倍になっている。今回の英国のEU離脱により、いわゆる“安全地域”としてのドイツ国内の住居用不動産の需要はさらに上昇するのではないか。

特に“中価格帯”物件を対象とする世界の海外不動産投資家たちは、今後ドイツ国内での投資額を増やすことが予測される。主に価格帯にして20万ユーロ〜70万ユーロの住居用不動産物件の需要は、確実に上昇すると見られる。

ドイツの不動産仲介業者、不動産コンサルティング関係者によると、海外不動産投資家達からの問い合わせ数は既に、急激な上昇を見せている。それら投資家達は、今回の英国のEU離脱が強力に後押ししている、と口を揃えている。特に今後数カ月間は、上で述べた傾向がさらに勢いを増してゆくことが、確実視されている。

短期的に見ると、震源地である英国の不動産投資も可能性があるように見えるが、英国の不動産業はこの数カ月間、すでに縮小傾向にあるという事実出る。諸銀行の報告によると、2016年4月の新たな住宅ローンビジネスは、過去11カ月間を通じて最も低迷しているとのことだ。今後もこの傾向が続くと見られている。

万が一EUが崩壊してもドイツは大丈夫?

今後のベルリン不動産の価格上昇が確実視される中、今回のユーロ安はまさに日本人投資家にとって大きなチャンスである。日本の不動産でキャピタルゲインを狙うのは難しい状況において、為替と価格上昇でリターンが期待できるのは大きい。

海外不動産投資においては、先進国は不動産マーケットが整備されており、安心ではあるがキャピタルゲインを狙いにくく、カントリーリスクがあっても新興国の不動産で投資しようという考えが最近は多かったのが事実だ。しかし、中国景気の減速など新興国不動産に元気がなくなりつつあるいま、ドイツ・ベルリンで為替・地価という歪みを利用して投資をしていくタイミングである。

さらにドイツでは一般的には物件価格の土地建物比率において建物比率が高く、さらに築年数が経過しても流通価格が下落しにくいというのが特徴的である。築100年のアルトバウと呼ばれる建物が新築のマンションと同じように不動産売買サイトに並んでいるのは、ごく一般的にみられる光景である。

日本の居住者及び法人が。ドイツの伝統的な石造り・レンガ造りの建物を購入する場合、新築の減価償却期間は38年であるが、築年数が38年以上の建物であれば7年で償却が可能であり、中古不動産購入による短い期間での減価償却による節税も見込める。

地震・台風・洪水といったリスクも低いベルリンであれば日本の不動産に対するリスクヘッジとして分散投資としても有効である。万が一EUが崩壊するようなことになっても経済強国ドイツであれば問題ないであろう。こんなチャンスはなかなかないのではないだろうか。

尾嵜 豪(おざき たけし)
株式会社ウィンドゲート 代表取締役
大手ゼネコンでの勤務・経験を経て、業界最大手の芸能事務所にて不動産売買・賃貸・管理・コンサルティングの総責任者を務める。独立後、株式会社ウィンドゲートを設立、代表取締役に就任。都心の一流不動産のアドバイザーとして、芸能人・プロスポーツ選手・企業経営者などの富裕層を主な対象とする、不動産コンサルティングが好評を博している。

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)