東北地方で新たに農業を始める人が増えている
東北農政局が行った、2014年度の新規就農者(起業や会社に就職する形で就農する人)についての調査で、東北6県で新たに農業を始めた人は1419人となり、2013年度に比べると111人、8%増加しました(東北農政局『東北管内の新規就農者の動向(平成21年〜26年度)』より)。これは、同局が調査を開始した1992年度以降で最多の数字となっています。
東北地方では「青年就農給付金」という、就農前の研修期間(2年以内)及び経営が不安定な就農直後(5年以内)の所得を確保する制度があります。この制度が実施されていない2011年度以前と比べると、年々新規就農者数が増えているのです。年齢別では、44歳以下が1259人と全体の9割近くを占めており、19歳以下も107人となりました。
どうして若者は農業を目指すのでしょうか
日経産業新聞(2014年9月12日付)によると、東京農業大学は新入生の4割強を女子が占めているといいます。また、明治大学農学部では女子の志願者が7年前から1500人以上増えたのに対し、男子学生の増加は1000人にも満たない状況です。
こうした人気は、食べ物の安全性への意識が高まったことや、バイオ技術の進展で食料だけでなく環境や生命といった課題の解決も期待されるようになったことが考えられます。生活の基盤を築く学問だとの意識が浸透してきたことが理由ではないかとする識者もいます。