Airbnb
(写真=PIXTA)

2015年に日本を訪れた外国人観光客の数は、過去最大の1973万人となりました。2020年の東京オリンピック開催に向けて、今後さらに外国人観光客の数は増えるとみられており、現在すでに国内の宿泊施設が不足しています。この問題も解決するために、日本政府は2015年から民泊の規制緩和に関する話し合いを行ってきました。

規制が緩和されれば、民泊を合法的に行うためのハードルが低くなり、所有するアパートやマンションの空室を、Airbnb(世界最大の民泊仲介プラットフォーム)で運用できる可能性が出てきます。

民泊を旅館業法上の「簡易宿所」と位置付け、同法の改正案が2016年4月に施行予定

現在の法律では所有するアパートやマンション、一戸建てなどで民泊営業を行うには、旅館業法に基づく許可が必要だと解釈されています。しかし正式に許可を得るためには、客室面積やフロント設置などの規定を守る必要があり、一般の住宅で民泊を行うのは物理的にも難しいのが現状です。そのため、日本全国にあるAirbnb登録物件のほとんどは、無許可で営業されているという実情があります。賃貸物件を無断でAirbnbに登録するホストの存在や、近隣住民とのトラブルなどが問題視されていました。

これを受けて、観光庁と厚生労働省による2015年からの協議の結果、2016年1月に民泊の規制緩和を行うために旅館業法を改正する方針が発表されました。民泊を旅館業法上の「簡易宿所」と位置付け、簡易宿所の構造設備基準である「客室面積33平方メートル以上」を、「収容定員が10人未満の場合は3.3平方メートル × 収容定員」にするなどの緩和を行うことで、民泊を合法的に運営できるようにする予定です。厚生労働省は2月9日から、構造設備基準の緩和に関する改正案についてのパブリックコメントを受け付けており、その内容を踏まえて改正案が4月1日に施行される予定です。

空室物件をAirbnbで運用すれば、高稼働率も期待できる

日本政府観光局(JNTO)によれば、今年になって日本を訪れた外国人観光客の数は、1月だけで185万人を突破しました。これは前年同月比で倍以上の人数です。2016年中に2000万人を突破することが確実と見られています。

現在、東京や大阪など、多くの観光客が訪れる首都圏のホテルは連日ほぼ満室状態です。その一方でホテル業関係者によると、新たな施設を建設することに対して、ホテル業界は非常に慎重なのだそうです。そう言う状況を考えると、民泊の規制緩和後に、所有する空室物件をAirbnbなどの民泊で活用すれば、高稼働率が期待でき、場合によっては家賃以上の収入が得られるかもしれません。