正規とパートかけもちを余技なくされる国民も
労働者の大半が職場に満足しているからといって、まったく不満がないというわけではない。
最も多い不満は、昇進や報酬についてだ。25%が「ボーナス制度やパフォーマンス評価のプロセスの改善」を求めている。
次いで給与への不満が目立つ。スターバックスやJPモルガン・チェース、マクドナルド、IKEA、Facebookなどの大手企業から、カリフォルニア州やニューヨーク州といった各自治体まで、次々と給与引きあげを発表している。
しかし米国全土の賃金上昇速度は史上類を見ないほど鈍化しており、正社員として働きながらパート勤務をこなすことで、ようやく生計を立てているという米国民も多い。
インディアナ大学の図書館に正規雇用として勤務する51歳の男性は、「仕事自体は気にいっているが、賃金が十分ではない」との理由で、週末の家具屋でのアルバイトを余技なくされている。それだけ働いても貯蓄に回せる余裕がなく、「退職後の生活への不安が常につきまとっている」という。
雇用創出は重要だが、十分な生活費を稼ぎだせないようでは、クッション程度の役目は果たすだろうが、根本的な苦難が解決されたことにはならない。しかしこうした「最低生活賃金問題」を抱えているのは、決して米国だけではない。
今年4月に「全国生活賃金(National Living Wage)」を打ち出した英国でも、最低賃金は引き上げられたが実際の生活水準には追いつかず、フルタイムで共働きをしていても、就労税控除(Working Tax Credit)を含む福祉手当なしでは生活できない低所得世帯は多い。
何かが空回りしている。そんな印象をぬぐえない。(ZUU online 編集部)
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