スマホ用ゲーム「ポケモン GO」が人気となっています。7/6(水)にアメリカ、オーストラリアなどで配信が開始されましたが、その後は一日当たりの利用者数でTwitterを、プレイ時間でFacebookを超えたと報道されています。そうした中、任天堂 <7974> 株は6月末の14,505円から7/19(火)には一時32,700円と約2.2倍に値上がりし、同日の売買代金も7千億円と東証一部の23.5%を占めるなど、こちらも「大人気」となっています。
こうした「ポケモン GO」が7/22(金)にいよいよ日本でも配信開始となりました。それを受けて同日の任天堂株は再び動意を見せています。ただ「ポケモン GO」のヒットは「ひとつのゲームソフトのヒット」にとどまるものではないと「日本株投資戦略」では考えています。同ゲームのヒットは「ひとつの契機」に過ぎず、「新しい世界」が幕を開ける可能性があるとみられます。
「ポケモン GO」が切り開く「新しい世界」とは何でしょうか。また、そこで注目される投資テーマや銘柄とは何でしょうか。今回はそうしたことについて考えていきたいと思います。
おもな「ポケモン GO」関連銘柄はコレ!?
「ポケモン GO」は任天堂と株式会社ポケモン、米ナイアンティック社によって生み出されたスマホ用ゲームです。このうち、株式会社ポケモンは任天堂が32%出資している企業で、ナイアンティック社はグーグルからスピンアウトして生まれた企業です。開発、販売の面でこのゲームをけん引しているのはナイアンティック社となっています。
「ポケモン GO」の関連銘柄について、多くの市場参加者がすぐに連想できるのは無論任天堂 <7974> です。株式会社ポケモンとともに、世界累計販売本数が1千数百万本にも及ぶポケモン・シリーズを複数生み出してきました。
今回のゲームから直接得られるのは、ゲームの利益に株式会社ポケモンへの収支比率(32%)およびナイアンティックへの出資比率(不明)を乗じた分であり、任天堂にフル寄与する訳ではない点は注意が必要です。ただ、このゲームは企業とのコラボの仕方によっては、ゲーム課金以外の新たな収益を生み出すモデルを構築する可能性がありますので、過小評価は禁物と言えそうです。
ただ、実際にゲームの配信が開始されたことでいったんは「材料出尽くし」と理解する投資家も出てきそうです。ゲームが過熱により規制を受けたり、3社の協業が深まらなかったりするリスクも残るとみられます。また、任天堂への収益貢献について見えにくいこともあり、短期的には7/27(水)に発表される決算の説明会等で、会社側が慎重な見通しを示すことにより株式市場の空気が冷える可能性等には注意が必要です。
それでも、ニュースフロー的にはここから一層話題に上ることが増えてくると考えられます。「日本株投資戦略」が「ポケモン GO」関連株としてご紹介するのは表1の銘柄です。各銘柄の投資ポイントについては後段でご説明します。