「ポケモン GO」が切り開く?AR(拡張現実)関連市場の拡大
「ポケモン GO」は「位置情報を活用することにより、現実世界そのものを舞台として、ポケモンを捕まえたり、交換したり、バトルしたりするといった体験をすることのできるゲーム」(公式ページ)となっています。
実際の身近な風景や街の映像に仮想のモンスターや情報等を表示したりしているのでAR(拡張現実)の世界です。このゲーム以外では特別なゴーグルやメガネ等を通じて現実の世界に映像・データを反映させる仕組みのサービスもあります。
これに対し、現実にはない世界を見せつつも、現実のように感じさせてしまうのがVR(仮想現実)で、両者をまとめてひとつの市場とみることが可能です。
一般的にはARに比べ、VRの方が言葉としては普及しているようですが、2020年の市場規模はVR300億ドルに対し、ARは1,200億ドル程度との予想もあり、ARは将来性が期待されている市場と言えます。
「ポケモン GO」のヒットが市場にAR市場の成長性を再認識させ、関連銘柄が活躍する可能性があります。また、10/13(木)に発売予定となっているソニー <6758> の「PlayStation VR」が7/23(土)より順次予約受付再開の予定で、これと併せて最注目される可能性があります。
表1にご紹介した「ポケモン GO」関連銘柄のうち、AR関連銘柄としてはスターティア <3393> 、ジグソー <3914> 、サイバネットシステム <4312> 、サン電子 <6736> があげられます。図2はそのうちのサイバネットシステム <4312> のチャートです。AR関連コンテンツへの需要が増えた場合、この会社のビジネスチャンスも増えると期待されます。
なお、「ポケモン GO」はナイアンティック社のAR技術とLBS(位置情報サービス)に関する技術があって生まれたゲームと考えられます。したがって「ポケモン GO」はLBSの普及を促す可能性があります。
LBS関連銘柄としては「3Dマップ」関連銘柄等が時折市場の話題になっており、表1では豆蔵 <3756> 、アイサンテクノロジー <4667> 、ネクストウェア <4814> 等が関連銘柄として考えられます。
図3はこのうちのネクストウェア <4814> のチャートを示したものです。6/30に「NTT空間情報」と提携し、NTTグループが通信インフラを支えるために整備してきた全国詳細地図データとこの会社の技術を結び付け、あらゆるモノをデジタル地図上に表すことができるようになりました。
このニュースが出た直後、株価は大きく上昇し、その後は少し落ち着く展開となっています。このニュースでLBS関連銘柄としての認識が投資家に浸透している可能性がありそうです。