驚異的な接触時間
Similar Webが発表したアンドロイド・ユーザーの1日あたり平均アプリ利用時間は、ポケモンGOでは43分23秒。これはWhatsapp(30分27秒)やInstagram(25分16秒)、Snapchat(22分53秒)、Facebookのメッセンジャー(12分44秒)を大きく引き離す、圧倒的な利用時間の長さだ。
このポケモンGOの利用時間の長さも、今後のマーケティング上の大きなアドバンテージになる。
例えば広告媒体と捉えた場合、この利用時間は大変に重要な要素になる。利用時間が長いほど広告メッセージやプロモーションに接触する機会が増えることになるからだ。ただしゲームの面白さや世界観を損なわないことが前提なので、広告媒体化するにはその点の注意が必要だろう。
ARや位置情報の技術をキラーコンテンツで一般化
ポケモンGOで使われているAR(拡張現実)や位置情報は最先端の技術ではなく、それらを使ったゲームは特段新しいものでも珍しいものでもなく、これまでにもそれらの技術をエッジにしたゲームはポケモンGO以前にも数多く存在していた。
しかしそれらは広いユーザーに受け入れられたとは言い難く、ゲームのユーザー層は一部に限られていた。
ポケモンGOの最大の功績は、このようなARや位置情報の技術の特徴を一般に浸透させたことだ。ポケモンGOのような一般的なユーザーにとっては、使われている技術には興味がないだろう。
しかしゲームの楽しみ方はこれらの技術なくしては成立しない。このように新たな技術を特別意識させることなく、ごく自然に新しい技術に触れさせることに成功している。それによって今後はARや位置情報といった技術を使ったゲームやアプリへの心理的なハードルは下がり、新たな関心を高めやすくなるだろう。
テクノロジー・ドリブンからコンテンツ・ドリブンへ
ポケモンGOがヒットした理由は、ARや位置情報の技術を使っているからではない。今までのケータイアプリの大半は新しい技術をどう使うかに重点が置かれていたが、それらの技術の特徴を、「ポケモン」というキラーコンテンツの世界を表現することに使ったことこそがヒットの理由だ。
ポケモンGOの成功によって、スマホゲームは今までのテクノロジー・ドリブンからコンテンツ・ドリブンの時代に移ったといえるだろう。
今後より幅広い利用者を参加させて深く、長時間の利用を促すためにはコンテンツ・ドリブンでの発想が必須と考えられる。(ZUU online編集部)
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