金融機関によって手数料が異なる

確定拠出年金は、金融機関によって手数料が異なります。

筆者の調べたところ初回手数料は、2777円〜約6000円です。毎月かかる運用費用は高いところで約600円、安いところで167円。少しでも安い金融機関を選びたいものです。

現在、初回手数料と運用費用が一番安い金融機関は、スルガ銀行とSBI証券です。2017年の改正に向けて、さまざまな金融機関が手数料を引き下げる可能性もありますので、少し様子を見ながら決めてもいいかもしれません。

また、申込手続きに約2カ月かかる点にも注意しましょう。2017年1月から始める場合は、今年11月ぐらいには申込が必要となります。

運用商品の選び方の注意点

金融機関の選び方として「運用商品から選択」する方法もあります。

運用手数料や信託報酬料は安いほうが良いのですが、問題は金融機関によって扱っている商品が異なることです。また、運用手数料が安くても、信託報酬料が高い場合もあります。まずは、二つのコストを意識しながら商品を選択し、そのうえで金融機関を選ぶのがお勧めです。

確定拠出年金で損をしないための注意点

確定拠出年金のメリットを紹介しましたが、当然デメリットもあります。

たとえば、信託報酬はどの投資信託を選んでも必ず発生します。確定拠出年金の場合は運用の手数料が、最低でも毎月167円と決められています。

確定拠出年金の最低額である、毎月5000円で計算すると3.34%が手数料となります。つまり、それ以上の運用ができなければ元本が減ってしまいますね。特に預金や保険で運用するとしたら、確実に損をします。

毎月の拠出金額が1万円でも1.67%の手数料なので、少々厳しいのではないでしょうか。

せめて、毎月の掛金を2万円にすると0.835%の手数料になるので、なんとか運用益を出せるかもしれません。

専業主婦は、掛金の所得控除のメリットがありませんので、2万円以上でないと、運用が厳しくなりそうです。

以上を踏まえたうえで「未来の自分へのご褒美」を用意するつもりで、検討してみてはいかがでしょうか?

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。