芸能界,中国,SMAP,アイドル,解散
(写真=Thinkstock/Getty Images)

中国におけるSMAP(スマップ)の知名度は非常に高い。10代後半から20代の若者から40代まで男女を問わず広く知られている。

しかしそのイメージは、日本とはかなり異なる。SMAPは知っていても木村拓哉以外のメンバーを知る人はあまりいない。「木村拓哉とそのグループ」と表現した若い女性もいて、他のメンバーはどうやら木村拓哉のバックダンサーのような印象らしい(文中敬称略)。

際立つ木村拓哉の存在感

中国の代表的ネット辞書「百度百科」でのアクセス数を調べてみた。するとSMAPの項目へのアクセス数は145万6038回。

それに対し木村拓哉は5倍の723万9088回、中居正広50万5125回、稲垣吾郎42万6048回、草彅剛44万1316回、香取慎吾82万2128回となっていて、やはり木村拓哉はダントツだ。

次にそれぞれの代表作を見ると、

◎SMAP
「SHAKE」「夜空ノムコウ」「らいおんハート」「世界に一つだけの花」

◎木村拓哉
「ロングバケーション」「ラブジェネレーション」「ビューティフルライフ」「HERO」

◎香取慎吾
「新選組」「西遊記」

◎中居正広
「白い影」「砂の器」「私は貝になりたい」

◎草彅剛
「シュート」

◎稲垣吾郎
代表作記載なし。

以上のようにSMAPとしては楽曲、個人では映像作品を代表作としている。

このうち中国で最も光彩を放っているのは木村主演の映像作品である。都会的で分かりにくい表現の日本作品を好んでいるわけではない。人気なら韓流ドラマのほうが上だろう。
しかし木村は国の好き嫌いを超越し、先進イメージの日本を象徴する美男子の地位を確立した。「日本史上最強偶像」との表現も見える。

今回のSMAP騒動は、その木村のスキャンダルではない。そのためかマスコミの対応は分かれ、地方紙の国際面は取り上げていない。

しかし国営CCTVや上海のテレビ局「東方電視台」は短く取り上げている。確かに映像のほうが似合うニュースである。ネットニュースではさらに盛り上がる。

良き時代、思い出の中国公演

5年前の2011年5月21日に訪日した温家宝首相(当時)はSMAPと会見、中国公演を要請した。中国首脳が単独で「日本芸人」と単独で会う初めてのケースだった。このときSMAPは、中国のファンに対し、長年の支持に対する「感恩之心」を表明している。

その中国公演は同年9月16日、北京工人体育館で実現した。SMAPデビュー以来20年、初の海外公演だった。東日本大震災に対する支援への感謝を込め、スローガンは「がんばれ日本、感謝中国、亜州一家」だった。また日中国交正常化40周年を翌年に控えた「前奏」活動の意味も込められていた。

尖閣諸島国有化問題のちょうど1年前、まだ南シナ海問題も先鋭化する前で、良き時代の象徴的シーンであった。とても5年前とは思えず、はるか昔に感じてしまう。