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(写真= Webサイトより)

軽自動車の販売不振が長期化している。7月の販売台数は13万3800台で前年同月に比べて6.3%減少した。軽自動車販売の前年同月割れは、2015年1月から19カ月連続におよんでいる。新車販売の4割強を占める軽自動車であるが、販売減少が長期化しているのはなぜか。

三菱自動車の「燃費偽装問題」の影響は?

最近の軽自動車の販売不振の理由として、三菱自動車の燃費偽装問題をイメージする人もいるかもしれない。

同社のeKワゴン、eKスペースに加え、供給先の日産が販売していたデイズ、デイズルークスの燃費数値を偽装していたことが発覚したことは記憶に新しい。

実際、三菱自動車では4月末に該当車種の1日当たりの販売台数が燃費偽装問題が発覚する前の半分となったことを発表。5月の販売台数は4月に比べて、三菱のeKシリーズが28.4%減、日産のデイズシリーズが32.5%減となった。

もっとも、冒頭で述べたように軽自動車の販売減少は2015年1月から始まっており、三菱自動車の燃費偽装問題が直接的な引き金となったわけではない。同社の偽装は軽自動車の販売減少に拍車をかけた側面はあるが、問題の本質はそこではないだろう。

軽自動車税の引き上げも影響する?

軽自動車特有の理由の一つとして、2015年4月に始まった軽自動車税の引き上げが考えられる。具体的には、軽自動車の保有税が50%増の1万800円に引き上げられたことだ(※2015年3月販売分までは今後も7200円で据え置き)。

軽自動車の魅力の一つが税金の安さであったことは言うまでもない。それが50%増となると、消費者の負担も決して小さくはなくなる。

軽自動車のユーザーは、特に地方では生活の足として複数台所有する向きも少なくない。その中で実質賃金が上がらない人が多くいるとすれば、新車買い替えを手控えるのは自然なことであろう。