軽自動車よりも小型車を買ったほうが良い?

2つ目の理由として、軽自動車の高額化が挙げられよう。ちなみに、7月の販売上位車種ベスト10のうち、4台が160万円以上、他の4台が150万円付近である。かつては100万円台前半で推移していた軽自動車も、100万円台半ばから後半に水準を切り上げている。

ダイハツのタント、ウェイク、ホンダ N-BOXなどは150万円を超えているほか、200万円近い軽自動車も登場している。ホンダのS660、ダイハツのコペンなどのオープン2シーターは約220万円だ。

円安や原材料価格の上昇、アベノミクスによるインフレ政策、燃費や安全対策向上など、さまざまな要素が複合的に作用して、軽自動車の高額化をもたらしたと考えられる。

軽自動車の高額化は、小型車や一部輸入車と競合することを意味する。

たとえば、車両本体価格だけで150万円となると、トヨタのパッソで一番安いモデル(約115万円)が新たな選択肢として浮上する。輸入車ではフォルクスワーゲンの up!(アップ)も最廉価は150万円台、メルセデス・ベンツのスマート フォーフォーなら210万円台である。

ひと頃に比べ、軽自動車の価格面での優位性が後退しているのは明白だ。

販売不振はさらに長引く可能性が高い

ハイブリッド化や安全装備の充実などにより、高付加価値化をユーザーが求めている以上、軽自動車の高額化を解消するのは難しいだろう。

軽自動車の19カ月連続の前年同月割れは、リーマンショック時の14カ月を超えているが、現状のままではさらに長引く可能性が高い。

せめて、消費税が10%に引き上げられる前に、軽自動車の税制見直しをすべきではないだろうか。(モータージャーナリスト 高橋大介)

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