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日本経済新聞社は2014年夏のボーナス調査(中間集計)で全産業の平均支給額は6年ぶりに80万円台に回復したと伝えました。民主党から自民党へ政権交代が実施された2012年末から発足した安倍内閣による「アベノミクス」が長期の円高トレンドを修正し、国内輸出企業に恩恵を与え日本経済を活発化させた事がボーナス支給額に反映された形となっています。これと関連して2014年4月より消費税が5%から8%に改定され、好調だった個人消費がボーナス増により維持できるかどうかに焦点が集まっています。

2014年度に入って自動車業界をはじめとした春闘で賃上げがニュースでも盛んに取り沙汰され、多くの企業がベースアップ(トヨタ2700円、日産3500円等)を実施しました。裾野が広い自動車産業は一次サプライヤーまでは同様のベースアップされた企業が多い様ですが二次サプライヤー以降は今年度ベースアップを実施している所はかなり少ない模様です。中小零細企業は労働組合が無いケースが多く、会社側と賃上げのテーブルに着くのはかなり困難な状況です。さらに家族経営レベルの下請け業者は価格転嫁が一切出来ないと言った所が大半を占めている様です。

個人消費を考えてみると、身の回りで一番変化に気づくのはガソリン代ではないでしょうか。ガソリンは4月から消費税だけでなく環境税が追加されリッター当たり約5円の価格上昇と家計を直撃しています。さらにETC割引の縮小と合わせてGWでもマイカーで遠出したいと言う人は少なかったようです。こういった消費のマインドを冷やす要素は連鎖的に広がって行きますので注意が必要です。中東・ロシア情勢が悪化してさらにガソリン価格が上昇となる可能性も十分に考えられます。

この様に日本経済の一握りの業界で所得が増えても現段階では個人消費が維持できるとは言いきれない状況にあります。消費税後の個人消費、景気の動向を見極められるのは少なくとも9月以降とも言われており、過去に幾度も景気の腰折れを経験してきた消費税増税ですから日本政府は早めの景気刺激策を検討しておいてほしいものです。

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