元本の払い戻しの商品
毎月分配型の投資信託に関しては、以前からタコ足分配が問題視されています。投資信託は本来、純資産の運用益部分を投資家に分配するという目的がありますが、毎月分配型の場合は運用益部分だけでは足りないので、集めた純資産の元本の中から払い出す傾向があります。
毎月分配型は基本的に毎月決算を行うので、高金利の新興国など外国に投資している商品がほとんどです。運用益を上げるために、リスクの高い商品で運用する必要があるのです。そのため、新興国などの景気の影響にはとても敏感になります。実際、去年からの資源安やチャイナショックなどで、多くの毎月決算型の投資信託で分配金を減配する動きがでています。
先に例としてあげた、基準価格が5,000円で月に100円分配していた投資信託も、基準価格が3,000円、分配金が50円に下がる可能性があるということです。そうなると、分配金で10万円もらえると見込んでいたのが5万円の受け取りになります。さらに解約した場合、500万円の資金を投入して戻ってくる資金が300万円と▲200万円も損になってしまいます(税金、手数料考慮せず)。もちろん、こういったリスクは販売会社で説明することが義務付けられており、購入する投資家も理解して購入しているのです。
それでもなぜ購入するのか?
それでも毎月分配型を購入する理由の一つは、多くの購入者が高齢者ということで、将来の値上がり益を待つよりも先に受け取りたいと考えている人が多いためです。高齢者は、いつまで自分が生きられるかわからないため、予測不能な将来を待って運用益を享受するよりも先に、受け取りを確保したいと考えています。
その一方で、仮に分配金が元本の払い戻しになったり、基準価格が下がったりしたとしても、毎月分配金を受け取ることによって長期で保有すれば、個別元本が調整され、購入した金額との差損が縮まっていくという考えもあるようです。
銀行の預貯金の金利ではいい運用が見込めないため、ハイリスクハイリターンの投資信託を購入するという高齢者の思惑で、今でも毎月分配型の投資信託に資金が流入し、根強い人気があるのです。(提供: IFAオンライン )
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