配偶者控除,パート,106万円の壁,130万円,共働き
(写真=PIXTA)

今年の法改正で新たにできると話題になっている「106万円の壁」。配偶者が扶養の範囲で働いているという男性は特に要注意だ。

国は配偶者控除を含めた所得税改革の具体的な方向性を、2017年にも見直すための検討に入っている。現在の配偶者控除は妻の年収が103万円を超えると適用されなくなる。配偶者控除は廃止し、夫婦であれば誰でも控除が受けられる「夫婦控除」に転換し、女性の社会進出を促す方向で検討している。

改正の背景にあるのは、高齢化社会、女性の社会進出の活性化だ。配偶者控除を意識して女性が就労時間を抑えるケースが目立つため、働きやすい制度に改めて共働きの子育て世帯を後押しすること、これから増えるであろう子どもにかかる教育費なども準備し、マイホームの購入や既に購入している人は繰り上げ返済なども検討できるかもしれない。

高齢社会を迎えるにあたり老後のためにも収入を増やさなければいけないという国の指針が背景となっているようだ。しっかりと働いて収入アップを目指し、更に有利に仕事をしていけるように、自分の生活スタイルを考えながら検討することを考慮した改正となっているのだ。妻が扶養の範囲内で働いている人というにはいい改正ではないが、共働き世帯には有利になるかもしれないのだ。

配偶者控除と異なる夫婦控除

政府は、専業主婦やパートの妻がいる世帯の所得税と個人住民税を軽くする「配偶者控除」を見直す検討をしている。このかわりに、妻の収入にかかわらず一定額を夫の所得から差し引く「夫婦控除」を導入するようだ。これは「配偶者控除」とは異なり、夫婦で子育てをする人に対しての優遇策を検討しているのだ。

配偶者控除が認められる配偶者には、その年の12月31日の時点でいくつかの条件がある。まず民法規定の配偶者であるということ。「内縁の妻」など正式に籍を入れていない場合、配偶者としては認められないことになる。

配偶者控除の控除額は38万円である。またその年12月31日現在の年齢が70歳以上の控除対象となる配偶者は48万円の控除額となる。

所得は、給料から給与所得控除額を引いた金額だ。
したがって、ここでいう38万円とは配偶者の給料が基礎控除額38万円+給与所得控除額65万円=103万円以下であることを示している。よく、扶養の範囲の質問をうけるが収入が103万円、給与所得控除65万円。そして、103万円-65万円=38万円が所得という意味である。
そして、基礎控除により所得ゼロという考え方である。今後改正をうけてもこの計算式が頭にあれば扶養の年収範囲というものをわかるはずだ。