妊娠,不妊治療
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「不妊治療」は一昔前まで、一部の夫婦だけが受ける特別な治療法のような存在だったが、今はそうではない。

現在、日本では夫婦の6組に1組は不妊治療の経験があると言われている。それくらい不妊治療は重要かつ身近な存在となっている。

2クラスに1人は体外受精児がいる?

厚生労働省の「不妊治療をめぐる現状」によると、2013年の総出生児のうちの2.7%が体外受精による乳児であるというデータがある。この数字は、37人に1人が体外受精による乳児である。学校に置き換えると、1~2クラスに1人はいる計算になるのではないだろうか。

ここから分かるように、現在不妊に悩み、不妊治療を受ける夫婦が増えているということである。

そもそも不妊症は、一般的に「避妊をせず1年たっても子供ができなければ不妊症」と定義されている。健康な夫婦が避妊をせずに夫婦生活を送っていれば、大半が結婚して半年で7割、1年で9割、2年で10割が妊娠するなどと言われているためである。

不妊の原因は?

その原因として、私たちの体質そのものの変化にある。い一例を挙げると、女性側では極度なダイエットによる「排卵障害」や男性側ではそもそもの精子が少ない・作られない「造精機能障害」などが挙げられる。しかし、不妊に悩む夫婦の1/3は「原因不明」であることも現実である。

加えて「晩婚化」による、出産年齢の高齢化も挙げられる。35歳以上の母親の出産割合は、2000年は11.9%であったことに対して、2011年には24.7%と急激に増加している。

女性の「妊娠できる能力」というものは、20代前半をピークに後半から衰え始め、30代後半から低下するとされる。これは女性の加齢とともに卵子も老化し、数も減ってしまうからだ。つまり、通常の夫婦生活を送ることによる自然妊娠が難しくなるということである。

そもそも不妊治療にはどのような種類があるのか

一言で「不妊治療」と言えど、その治療内容にはいくつか種類がある。大きく分けると「一般不妊治療」と「硬度生殖医療」の2種類だ。

まず「一般不妊治療」には「タイミング法」「ホルモン療法」「人工授精」の3つがある。「タイミング法」とは、排卵日のタイミングを予測し、排卵日前後に性行を行う方法だ。この予測には基礎体温や・ホルモン(エストロゲン・黄体ホルモン)の数値・おりものの様子などを参考にする。専門医が、たくさんの情報をもとに予測するため、その精度は比較的性格と言われている。

次に「ホルモン療法」は、妊娠をアシストするホルモンを補ったり、その分泌を促したりするために補ったりする方法。例えば黄体ホルモンや、排卵誘発剤を使った方法がある。
主に、排卵障害・造精機能障害・子宮内膜症・着床障害などが原因で不妊に悩む夫婦の治療に用いられる。

そして「人工授精」。タイミング法と同じ様に、排卵日を予測し精子を卵子に入れる方法。主に、不妊の原因が不明・性交障害がある・精子が少ない・運動性が低い・女性が高齢である場合に用いられる。身体への負担が少ないことも特徴である。

大別したもう一種「高度生殖医療」とは、一般不妊治療で妊娠ができない場合・女性が高齢(40歳以上)の場合・卵管がふさがっている場合などに用いられる方法で、「体外受精」「顕微授精」「凍結胚移植」がある。

一般不妊治療に比べ身体への負担や費用が増えるが、自然妊娠が不可能な人にも妊娠できる可能性がある。

「体外受精」は受精を体外で行い、受精・細胞分裂した卵を子宮内に戻す方法。主に人工授精で妊娠ができず、卵巣や精子に問題がある場合に行われる。

そして「顕微授精」は精子と卵子を採取し、体外顕微鏡で見ながら卵子の中に精子を注入し、受精させる方法。体外受精で妊娠しない場合や・精子減少症・乏精子症に悩む夫婦に行われている。

最後に「凍結胚移植」は体外受精させ、胚(生き物の細胞が発生する初期の段階)となったものを凍結する。それを排卵のタイミングで子宮に移植させる方法だ。