デフレ時代の申し子といっても過言ではない100円均一ショップ(100円ショップ)。「安かろう悪かろう」のイメージは払しょくされ、コストパフォーマンスが高く、ヒット商品も数々生み出してきた。100円ショップを展開する企業は、経済状況の変化に対応しながら、たくましくビジネスを成長させている。
そのような中、全国に約1300店舗を運営する業界2位のセリア <2728> は、2016年3月期の決算で、純利益が前年同月比18.3%増の79億5100万円と大幅に伸び、過去最高を更新した。1987年の創業以来、27期連続で増収を積み重ねている。セリアが快進撃を続けている理由を見ていこう。
消費者に節約志向の高まりが広がっている?
直営既存店の客数、客単価ともに前年同期比を上回った実績をみると、2%のインフレターゲットの達成が遠のくなか、デフレへの逆流と、節約志向の高まりが消費者の間に広がり、100円ショップの需要が高まっているのが読み取れる。また、躍進の背景には、2015年末から円高方向へシフトした為替レートも少なからず影響している。セリアで販売する商品の多くは国内メーカーから調達しており、直接的な影響は限定的だ。
しかし、こうしたメーカーは、原材料や商品の大部分を海外から輸入しており、円高は時間差で間接的にセリアの業績に効果をもたらすとみられる。直近の2017年3月期の第1四半期決算では、純利益が前期比37.1%増の23億6200万円と好調を維持している。円高により、売上原価率が前年同期比で0.3%減の57.5%に改善したのがポイントだ。
セリアに続く業界3位のキャンドゥ <2698> も、円高などの影響を受けて業績が回復している。2015年11月期は、消費税アップ前の駆け込み需要の反動などから純利益が前年同期比22.5%減の5億6,000万円に落ち込んだ。しかし、2016年11月期の第2四半期決算では、売上が前年同期比で6.2%アップし、純利益が同57.8%増の5億5900万円まで回復している。