「誰でも苦労する」と思えば挫折しない

英単語を覚えるのがつまらないと感じる大きな原因として、もう一つ、結果がなかなか出ないことがあります。

2回も3回も単語帳で覚えたのに忘れてしまう。すると、「歳のせいだろうか」「自分には英語の才能がないのだろうか」などと思ってしまう、というわけです。

しかし、2回や3回で忘れないとしたら天才です。私は、1カ月に6回は目を通すように言っています。やり方は、単語帳を使っても、単語カードを作っても、どんな方法でもかまいません。

やはり、英単語を覚えるのは、大変なことではあるのです。「誰でも苦労するものだ」という前提で取り組めば、つまらないとは思いにくいでしょう。

時間のある人なら、1日に2時間を使って、1カ月で1,000単語覚えることを目安にしてください。

社会人には難しいでしょうから、1日1時間で、1カ月500単語を目指すといいでしょう。すると、4カ月で2,000単語。もともと覚えている英単語の数にもよりますが、これだけプラスして覚えれば、ほぼ問題ないと思います。

「日本語→英語」では4倍の時間がかかる

他にも英単語を覚えるコツがいくつかありますので、ご紹介しましょう。

まず、「成功→ succeed」ではなく「succeed→成功」というように、「英語→日本語」の順で覚えること。「日本語→英語」の順で覚えるには「英語→日本語」の4倍の時間がかかりますから、より数多くの英単語を覚えるには「英語→日本語」がいいのです。

そう言うと、「しゃべるためには、『日本語→英語』で覚えておかないと使えないじゃないか」と言う人がいます。しかし、しゃべるのに使う英単語は、読んだり聞いたりするのに必要な英単語よりも、ずっと数が少ない。日本語でも、意味はわかるけれども、自分では使わない単語がたくさんありますよね。ですから、まずは、自分では使えなくても、見れば意味がわかる英単語の数を増やすべきなのです。

それから、「やったほうがいいことはしない」ということ。よく「派生語や同義語、反意語も一緒に覚えよう」と言う人がいます。確かに一緒に覚えたほうがいいでしょうが、やっていると大変です。正確な発音やつづりも、もちろん覚えたほうがいいに決まっているのですが、あとからでもいい。まずは、英単語を見たら、その意味がわかるようにすることに集中するべきです。

関 正生(せき・まさお)英語講師・語学書作家
1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。TOEICテスト990点満点取得。予備校デビュー1年目から、講義を担当する校舎すべてで、常に最多の受講者数を記録。現在はリクルート運営のオンライン予備校「受験サプリ」、TOEICテスト対策「資格サプリ」でも講師を務める。『世界一わかりやすい英語の発音の授業』(KADOKAWA )など、英語に関する著書多数。週刊英和新聞『朝日ウィークリー』でコラム連載中。(『 The 21 online 』2016年2月号より)

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