M&Aのデメリットとは?

一方で、M&Aはメリットばかりというわけではない。M&Aを行ったものの両社の関係がうまくいかず、計画通りに物事が進まないケースもある。特に、M&Aによる失敗例として多いのは、人材の流出だ。被買収企業の有望な人材が待遇や企業風土の違いを理由に離職するといった場合には、経営資源の損失となる可能性がある。リストラによりコストカットなどを進める場合には、なおさら人材流出が激しくなる恐れがある。

そのため、M&Aを行う上では、その後のアフターフォローをどのように行っていくか、被買収企業の人材に対する待遇をどうするか。こうした事後の対応まで考慮したうえで、いかにうまくM&Aを進めていくかが重要となる。このほか、売却を決意したオーナーの場合、社員が動揺しないように事後の説明をしっかり行うことも検討するべきだ。

買収と合併の違いとは?

最後に、買収と合併は一体何が違うのか説明しよう。買収の場合には、買収された企業はそのまま存続する。買収する側の企業が親会社、買収された側の企業が子会社として存続するわけだ。事業譲渡の場合にはその事業が一部門として残ることになる。

一方、合併では、複数の企業が一つの企業になる。一般的には、吸収合併の場合、力の強い方(いわば買収側)が存続し、残りの企業が吸収される(消滅する)ことになる。もちろん、対等合併により片方を残すといったこともある。

会社が残るのか消滅するのか、そこに大きな違いがあるのが買収と合併だ。そのまま会社を残すことで人材流出といったリスクを減らしていくのか、一つに統合することで一体感を出していくのか。経営者の戦略の違いや代表者が残るかどうかなどの違いによってどちらを取るかが変わってくるといえる。(提供: M&Aアドバイザーズ

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