ベルク,過去最高益,スーパー
(画像=Webサイトより)

デフレからの脱却を目指したアベノミクスでは、大胆な金融緩和が展開され、マーケットは円安・株高のトレンドに変換した。しかし、原油安や新興国経済の伸び悩みなどを背景に、日銀が掲げた2%の物価上昇の目標達成は遠のき、デフレに逆戻りするような雰囲気さえ漂う。

こうした経済状況に、消費者マインドが左右される中、関東を拠点にスーパーマーケットを展開する小売業のベルク <9974> は、24期連続の増収を確保。日ごろの食料品をはじめとする買い物は、景気の影響を大きく受ける中、どのようにして、市場の状況に合わせ、利益を拡大しているのか。その裏側に迫っていこう。

10期連続の過去最高益更新の見込み

関東地方以外の在住者にとってベルクは馴染みが薄いが、埼玉県を拠点に群馬や千葉、東京、神奈川、栃木の各都県に約100店舗を構えるスーパーマーケットだ。「毎日特価」として、日常的に消費する食料品や雑貨に加え、嗜好品もお買い得な価格で提供し、利用客の人気を呼ぶ。景気の足踏みが続く日本経済をよそに、ベルクは快進撃を続ける。

2016年2月期の連結決算では、経常利益が前年同期比で16.5%増の87億8800万円、純利益は同17.4%増の52億4200万円となった。さらに、17年2月期では、経常利益が同1.2%増の88億9400万円、純利益が同10.2%増の57億7800万円で、10期連続で過去最高益の更新を見込む。好調な業績を受け、年間配当を前年の45円から51円に引き上げ、17年2月期では56円へとさらなる増配を予定している。

こうした実績は投資家からも評価され、株価はアベノミクスの流れにのり、1000円台から一時は4000円台後半まで値を押し上げ、足元では3000円台後半を維持している。