ニトリ
(画像=Webサイトより)

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが想定より鈍化したことなどから、外国為替市場では1ドル=100円台前半の円高傾向が続いている。

家具、インテリア業界にとって円安は、原材料価格の高騰につながり、ビジネス環境に厳しさが増す。円高のチャンスが到来した中、日本最大の家具チェーンを展開するニトリホールディングス <9843> は、2016年2月期決算で29期連続の増収増益を達成。その強さの秘訣はどこにあるのか。

30期連続の増収増益へ好調維持

ニトリの16年2月期決算では、売上高が前年同期比で9.8%増の4581億4000万円、経常利益が同10.4%増の750億700万円、純利益が同13.3%増の469億6900万円となった。

店舗数の拡大とともに、売上高は10年で約3倍に躍進した。さらに17年2月期では、売上高5000億円、経常利益800億円、純利益514億を見込み、30期連続の増収増益を視野に入れる。

その試金石ともなる、17年第2四半期決算では、売上高が前年同期比14.7%増の2547億6300万円、経常利益が同32.0%増の498億4500万円、純利益が同43.3%増の328億2800万円となり、目標達成に向けて着実に歩みを進める力強さをみせた。

家具需要を喚起する上でも参照となる新設の住宅着工戸数。国土交通省によると、8月の新設住宅着工戸数は前年比2.5%増の8万2242戸となり、家具業界には追い風が吹く。

ニトリの快進撃とは裏腹に、家具・インテリアショールームを展開する大塚家具 <8186> の業績はさえない。2016年12月期第2四半期決算では、売上高が前年同期比20.1%減の240億9300万円、純利益は前年の3億5900万円の黒字から24億9700万円の赤字に転落した。創業家の経営を巡るお家騒動に揺れた上、消費マインドが停滞したことが影響した。富裕層を主なターゲットとして高級家具の販売を手掛ける大塚家具が苦戦する中、ニトリが好調を維持している戦略の違いを見ていこう。