ミレニアル,富裕層,銀行
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「HENRY(ヘンリー)」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。人の名前ではなく、「High Earners, Not Rich Yet (高所得だけどまだ富豪ではない)」の略で、大手銀行が今後10年間の主要顧客層としてデータ確保に本腰をいれている、いわば未来の金の卵を指す。

このHENRYにも世代交代の波が押し寄せており、今後はミレニアル世代が大本命になると予測されている。

「不動産より旅行に投資」のミレニアム世代 購買力は年間26兆円

そもそも米フォーチュン誌が2003年、年間所得10万ドルから25万ドル(約1053万円から2634万円)の世帯をHENRYと呼び始めたことがきっかけだ。13年あまりの月日が流れ、現在は「HENRY=高収入職に就いているミレニアル世代」という図式が確立され始めている。

1980年代は大都会で専門職に就いている若い世代を「YUPPIE(ヤッピー/Young Urban Professional)」、その後所得を優先させあえて子供を持たない夫婦を「Dinks(ディンクス/Double Income No Kids)」とカテゴライズしたのと同様、時代が生んだ頭字語だ。

ゴールドマン・サックスの調査によると、HENRYの中心構造であるミレニアル世代はすでに総額1兆ドル(約105兆3400億円)相当の資産を保有しているというから、未来の大口顧客候補として各銀行が獲得戦に躍起になるのも当然だ。

また全米商工会議所(USCC)は経済的に余裕のあるベビーブーマー世代(1946年から1964年頃に生まれた層)に育てられたHENRYの購買力が、年間平均2000億ドル(約20兆9900億 円)にも達していると報告している。銀行だけではなく販売市場にとっても上顧客であることはいうまでもない。

そんなHENRYにも世代交代の時期が訪れており、今後ミレニアル世代が主流となることは間違いない。前世代のHENRYと大きく異なる点は「究極の合理性」と「経験主義」だ。従来は高級車や不動産といった資産が投資対として主流だったが、「節約するために独立しない・両親の家に戻る」あるいは「車も親とシェアするだけで十分」というミレニアル世代が急増。

車や家にお金を使うよりも、旅行やエンターテイメントに投資したいという、前世代にとっては目からうろこの考えだ。所有品に関しては知名度を売りにした高級ブランドものよりも、良質で職人の技能が光る商品に惹かれる傾向が強い。マイケル・コースやCOACHといった手ごろな高級ブランドの売上が順調に伸びている一方で、ZaraやTopShopなど庶民ブランドも人気なのはそのためだという。

銀行や企業は次世代HENRYに向けた新たな戦略が必要だ。合理的なミレニアルHENRYはショッピングは勿論、お金の管理や投資もデジタル化を好む。大手銀行がこぞってデジタル改革に巨額を投じている背景では、こうしたミレニアルHENRY獲得戦が繰り広げられているということだ。(ZUU online 編集部)

【お詫びと訂正】文中、HENRYの購買力に関するレポートの発表主体をUSCC(全米商工会議所)とすべきところ、ACCJ(在日米国商工会議所)としておりました。また購買力年間平均について、2000億ドルとすべきところ2500億ドルとしておりました。こちら訂正して読者、関係者の皆様にお詫び申し上げます。

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