EUR/USDの影響力
ユーロ・ドルの影響力はユーロがらみの通貨ペアの変動に大きく影響してきます。例えばユーロ円で外国為替証拠金取引を行っていたとすると、ユーロ円の計算方法はユーロ・ドル×ドル円=ユーロ円の様に計算されますので、ユーロ・ドルの変動はユーロ円のレートにて掛け算で効いてくる事になります。一見ユーロと円の2通貨による相対取引の様に見えますが、実はユーロ・ドル・円の力関係によってユーロ円のレートが決まってくるのです。この事からドルストレート以外の通貨ペアではユーロが絡んでいる場合ユーロ・ドルの動向をチェックしながらトレードする事をお勧めします。
EUR/USDそれぞれの強み・弱み
アメリカドルの強みは世界最大の経済大国である通貨であり基軸通貨として強い信頼性を持っている点です。米国債も格付け会社からトリプルAの信頼度として格付けされる世界で最も安全な資産として多くの国が巨額の米国債を保有しています。有事のドル買いという言葉もある通り、戦争やテロ等が起きた時に世界中のリスク資産からマネーがドルに逃避してきます。
しかし最近では米国本土で起きるテロや、金融危機については有事のドル買いという言葉はあまり当てはまらなくなってきています。逆に弱みとしては原油価格が高騰するとドルが下落するという逆相関の関係を持っているという事です。アメリカ本土で採掘される原油は需要に追い付かず大部分を輸入に頼っています。原油価格が高騰すると企業の変動費もコストアップになってしまい、国としての税収が落ちてしまう為結果としてアメリカドルが売られるという結果になります。
ユーロの強みは加盟国23カ国で使用されている共通通貨という点が挙げられます。加盟国内での人や物の往来について決済通貨を他の通貨に換えることなく円滑にビジネスを進める事が出来ます。また、最近ではテロの標的になりやすいアメリカを警戒して決済用の通貨として保有する通貨のユーロ比率を上げている国々が増えてきました。特にその動きは米国同時多発テロ以降顕著になり、一部の石油取引ではユーロを決済通貨として使い始めています。アメリカドルと異なり石油価格と相関関係にあり、原油高に強い通貨とも言われています。逆に弱みですが、複数の国で使われる為小回りが利かないという点です。ユーロ加盟国の中にはドイツやフランスと言った経済大国もありますがギリシャの様なGDPが少ない国も多く、その国にマッチした金融政策を取る事が出来ないという事が一連の欧州債務危機等で露呈した弱点です。
どちらの通貨もファンダメンタルズに注目
サブプライムローンを発端とした世界金融危機は各国の大規模な財政出動により一見去ったかのように見えますが、根本的な問題は解決しておらず問題を先送りにしているのです。なので、量通貨とも取引をする際にはテクニカルな分析だけでなく雇用指標や政策金利等のファンダメンタルズを必ずチェックするようにしましょう。特に今度アメリカの中央銀行であるFRBの議場が任期満了によりバーナンキ氏からイエレン氏に交代します。これまでバーナンキ氏が取ってきた金融政策に対してどの様な違いが出てくるのか非常に気になる所です。ユーロ圏については債務問題が一服していますがイタリア、スペインなどの高い失業率は依然何も変わらないままです。今後どの様に世界が動くのかも、このユーロ・ドル相場を注意深く見て居れば人より早く気付く事が出来るかも知れません。
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