hedge
(写真=PIXTA)

「ヘッジファンド」という言葉は広く知られているが、実際にどのようなものなのか説明できるだろうか。

ヘッジファンドの「ヘッジ」は「リスクをヘッジ(回避)する」という意味からきており、売りと買いを組み合わせることで、相場の下落局面でも利益を出すことを目的としている。相場全体が上下どちらに動いてもプラスになることを目指しているので、市況環境に左右されにくい運用となっているのだ。

ヘッジファンドはハイリスク・ハイリターンの危ない投資先と思われるかもしれないが、それはもう過去の話である。もちろん、現在でもレバレッジをかけて投機的な運用をするヘッジファンドは存在するが、主流はむしろリスクを抑えた安定運用となっている。

驚異的なリターンを達成した「伝説の投資家」

ヘッジファンドのなかには、過去に驚異的なリターンを達成したファンドもある。とりわけ有名な投資家としては「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏と「ヘッジファンドの帝王」ジョージ・ソロス氏が挙げられる。

バフェット氏は、1965年にバークシャー・ハサウェイ社の経営権を握ってから2015年までの約50年間に、株価を約2万倍にしている。この間にS&P500は約140倍になっているのだから、桁外れの上昇といっていいだろう。50年の複利計算では年率10.4%で約140倍、21.9%で約2万倍となる計算で、市場平均を10%以上上回り続けると50年後にはこれだけの差となるのだ。

ソロス氏は、1992年に英国の通貨ポンドへ空売りを行い、15億ドルともいわれる利益を得たことから「イングランド銀行を潰した男」と称されている。また、1970年には同じく著名投資家のジム・ロジャーズ氏とともにクォンタム・ファンドを設立し、1973年からの10年間で4,200%の驚異的なリターンをたたき出した。この間のS&P500の上昇はわずか47%だった。