車両保険,免責
(写真=PIXTA)

自動車保険を見直すとき、保険料を節約する上で最も簡単で効果的な方法は、補償を下げる、あるいは一部の補償について切り捨てることだ。その選択肢のひとつとして、車両保険が挙げられることが多い。

今回は車両保険の具体的な保険体系を確認すると共に、その必要性について言及する。自動車保険を見直すならば、今回触れる程度の内容な把握しておきたいところだ。


車両保険とは

車両保険とは、契約者自身の車両にかける保険である。交通事故はもちろん、災害やいたずらなどといったさまざまな要因による損害に対して補償が発生するため、対応力は高い。

しかし自動車保険は強制加入の自賠責保険をはじめとして、被害者保護の観点からより重要度の高いものが多く、自分の財産を守る保険である車両保険は優先度が低くなりがちだ。

車両保険が軽視されるもうひとつの理由は、その賠償額である。対人賠償や対人賠償が数千万円から無制限補償の保険が多い中、車両保険は一般的に数万円から数十万円と明らかに少ない。

車両保険によって補償される金額は、乗車する車両によってもある程度見通しが立つため、こういった賠償額で十分である場合がほとんどだ。だが、それに対して上昇する保険料を考えると、どうしても二の足を踏んでしまうというのが実情だろう。

また、車両保険は利用することによって等級が3ランクダウンしてしまう。これは補償される金額に関わらず適用され、下がった等級を再び上げるためには3年以上無事故でなければいけない。

その間の保険料は等級に応じて上昇してしまうため、数万円程度の修理であればそもそも車両保険を利用しない方が結果的に得であるケースも往々にして存在する。こういった場合に備えて等級プロテクトなどといった等級のランクダウンに備えた特約もあるが、付帯すれば当然わずかながら保険料はプラスされる。

車両保険の相場はいくら?

結論からいって、車両保険は大体月当たり5~6000円、あるいは自動車保険全体の半分ほどを占めることになる。これはあくまでも一例であり、車両や契約条件によってはかなり上下するはずだ。

車両保険は、車種、型式、年式などによって設定されている「車両標準価格表」にもとづいて算出されるため、一概に相場を示すことは難しい。ドライバーの年齢や事故率によっても左右されるし、車両自体の走行距離や事故歴も関係してくるため、比較するためにはまったく同じ条件、年度で一括見積を依頼することが一番だろう。

自動車保険の免責とは

免責とは、事故に際して契約者が一定金額まで自己負担することを指す。免責金額は、保険加入時に契約者自身が選択することになる。

仮に30万円の修理代に対し10万円の免責金額を設定していた場合、保険会社から支払われるのは20万円、残りの10万円は自己負担しなければいけない。車両保険の保険料には、この免責金額が大きく関わってくる。

免責はどのように設定するのがいいのか

免責金額は基本的に、この程度の負担ならば支障ないという範囲で設定すれば問題ない。5万円や10万円程度設定するだけでも、保険料はずいぶん違ってくる。また前述した等級がダウンする関係から、ささいな事故であれば車両保険を利用しない方が得になることもあるため、免責金額に関わらず自己負担で済ませるケースは意外と多いだろう。

それに免責は状況や契約次第では自己負担の必要がない場合もあるため、多少多めに設定してあったとしても全額自己負担することはあまりないかもしれない。もちろんその場合は、全額負担する可能性も十分にあることを理解しておく必要があるだろう。

免責を自己負担しなくてもいい場合とは?

例えば、車対車の一般的な交通事故の場合、大なり小なり互いに過失が認められればそれぞれの対物賠償によって修理代は補償され、この賠償金は自身が負担するべき免責部分に充当されることとなる。

また免責は基本的に1回目のみ自己負担であり、そのほか自己負担を相殺する特約などもあるため、実際に免責金額すべてを支払うことになるケースはそう多くない。

免責金額については、よほど不安でない限り0円とするよりも自己負担できる範囲で多少設定しておく方が、少なくとも年間保険料は安く抑えることができる。

車両保険は必要なのか

そのほかの自動車保険が主に他者、被害者のための保険であるのに対し、車両保険は、車両という自分の財産に対してかける保険であり、自分のためにかける保険だ。だからこそ、余分な補償については切り捨てていくことが可能になる。

乗車している車両が高級車で修理代がかさむなど、特別な事情をのぞいて車両保険は必須の保険とは言い難い。余裕があれば最低限の範囲で付帯する、といった程度の認識でも十分なのではないだろうか。