ブーム終焉?クリスピー・クリームの撤退

ドーナツ業界で苦戦を強いられているのはミスタードーナツだけではない。2006年12月に日本に進出し、今年10周年を迎えるクリスピー・クリーム・ドーナツも不振にあえいでいる。

米国発のドーナツチェーンは、1号店が新宿のサザンテラスにオープンした際、寒空の下、ドーナツを求めて長蛇の列に並ぶ姿を覚えている人も多いのではないだろうか。「行列のできるドーナツ屋」として爆発的な人気を呼び、2015年度には全国64店舗まで成長したが、拡大路線に陰りが見え始めている。

日本上陸当初は、アメリカ仕込みのドーナツを食べてみたいという好奇心から、何時間も待ってまで店に足を運んだ消費者も、一度そのドーナツを口にすると、リピーターとして毎回待ち時間を覚悟してまで足しげく通うようにはならず、徐々に客足も遠のくようになった。

ブームを起こしたクリスピー・クリーム・ドーナツも、その勢いを持続させることはできず、店舗数は16年9月末時点で46店舗までに減少した。成長戦略の修正を迫られた同社だが、これまで目標として掲げている店舗数100は今後も変更しない方針。行列のできるドーナツ屋から脱皮をし、消費者に訴求できるか、勝負の時を迎えている。

ドーナツ専門店は、コンビニ・ドーナツの出現で、ビジネス戦略の見直しに迫られる格好となったが、そのコンビニもドーナツの売れ行きは伸び悩みに直面している。

コンビニという新たなプレーヤーがドーナツ業界に登場したことで、専門店のビジネスが打撃を受けた様子をみると、異業種の参入で、ドーナツ業界全体のパイ拡大につながるのではなく、限られたパイの奪い合いが起きているのが現状と言えるだろう。ドーナツを巡る各社の争いで、生き延びることができるのは誰になるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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