株価は好調な業績に反応 先行き見通しは?

好調な業績を受け、株価も反発。9月下旬以降、1300円台後半だった井村屋グループの株価は、業績の上方修正を発表した10月末以降、1400円台を回復。再び上昇トレンドを伺う勢いを見せている。夏のアイスクリームの主戦場を制した井村屋は、9月に「クリームチーズアイス」を投入。世界中のファンに愛されるフランスのkiriRのクリームチーズを使用したなめらかでクリーミーな味わいを楽しめアイスクリームで、濃厚な味わいから夏のアイスクリーム商戦を避け、満を持して秋に季節が移ろってから登場した。この商品は、昨年の販売から半年で1100万本を売り上げた商品で、2017日本パッケージデザイン大賞にも入選し、今年も井村屋の冬の商戦の期待を背負う。

冬の商戦は「肉まん・あんまん」 残暑のため出遅れる

中間期で過去最高益を記録したものの、通期の業績予想は、今年5月に公表した見通しのまま据え置いた。それによると、売上高が前年同期比7.4%増の415億円、営業利益は同27.9%増の9億5000万円、純利益は同18.9%増の5億3000万円となる見込みだ。政府の経済対策により、企業収益が回復し、雇用情勢にも改善がみられる一方、消費動向については先行きが不透明であると慎重な見通しを崩していない。

夏の猛暑はアイスクリームの売り上げアップを後押ししたものの、その後の残暑は、井村屋の冬の商戦場である「肉まん・あんまん」事業のスタートダッシュに影響を及ぼした。

暑さが長引いたことから商品の販売開始時期が後ずれ。肉まん・あんまんなどの加湿商品のコンビニエンスストア向けの売上高が、中間決算では前年同期比6.2%減の18億7400万円となり、出足でつまずいた格好だ。蒸してから焼く工程を加えることで新しい食感が楽しめる「ベイクド・デリ」シリーズの販売に加え、人気の「ゴールドマンシリーズ」で「ゴールドピザまん」を新発売するなど、寒さが厳しくなる冬に向けて着々と準備を進め、攻勢をかける。

猛暑という環境のなかで、「やわもちアイス(わらびもち)」というアイスクリーム市場で新たな柱の成長につなげることに成功した井村屋。夏の陣の勝利の勢いを、冬の商戦にも持ち込むことができるか。日ごとに寒さが増す中、井村屋の「熱い」戦いは続いていく。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)