次なる投資市場を担うミレニアル世代の関心が、ETF(上場投資信託)に集中していることが、数々の調査などから明らかになった。

米チャールズ・シュワブ(SCHW)の昨年のサーベイでは、すでにこの層の4割がETFに投資しているほか、7割が「将来的にはETF中心の投資に切り替える」と答えている。新しい商品やサービスに関心が強く、簡単明瞭・創意工夫を好むデジタル世代の需要と、ETFの利点が一致したといえるだろう。

低コスト重視派のミレニアル世代は、最適な商品選びも上手

株価や金などの指数に連動するインデックス型投資信託、ETFの魅力は、手軽に低コストで投資を楽しめる点だ。最近ではスマホやタブレットを利用して、外出でも取引可能なアプリを提供している証券会社も増え、次世代投資家の獲得戦が繰り広げられているようだ。

2015年のシュワブのデータによると、ミレニアル世代のポートフォリオをETFが占める割合は41%。対するX世代(1960年代から1970年代に生まれた層)は25%、ベビーブーマー(1946年から1964年頃に生まれた層)は17%である。

またミレニアル世代の71%がいずれETFの比重を増やす意思を示しているのに対し、同様に考えているX世代は46%、ベビーブーマーは24%。本格的な世代交代とともに、ETFが一般信託を完全に制することは疑念の余地がない。

絶大な人気の最大の秘密は、なんといってもコスト面だろう。投資初心者、あるいは経験が浅い多くのミレニアル世代にとって、委託手数料や信託報酬などが一般信託の半分以下というメリットは、無理なく投資を経験するうえで重要な要素だ。長期保有を狙うならばなおさらであえる。

米コロマンデル・ウェルス・マネージメントの設立者、ジョージ・ガグリアルディ氏は、情報化社会で育ったミレニアル世代が「手数料などの情報に精通している」という。そのためインターネットを屈指して商品を比較し、自分に最適な商品を選びだす能力に長けている。

しかしETFにも多数のデメリットがある。購入時の手数料に加え、欧米のETFでは委託手数料が発生し、少額投資の場合は負担率が跳ねあがる。国外のETFは対象国の通貨で取引されるため、為替の変動にも注意する必要があるなど、投資の敷居が低い分、気配りをおこたると大損を招きかねない。

しかし損失のリスクはどんな投資にも潜んでいる。ガグリアルディ氏は自身もETFのファンであることを認める一方で、「パッシブ戦略になりすぎないように、常に目を光らせておくこと」がETF投資の秘訣であると警告している。(ZUU online 編集部)

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