先週も堅調な株式市場となりましたが、そろそろ目先的な過熱感を嫌気することもありそうです。「トランプショック」と言われていたものが「トランプラリー」と変わりましたが、いまだに「トランプショック」を言い募っている向きもあり、ここから調整となると「トランプショック」といわれるのかもしれません。
ただ、今回の急騰の一番の要因は米大統領選挙でトランプ大統領となると「大変なことが起こる!」と煽られすぎたことの反動だと思います。考えて見れば昨年も同じように本来であれば、米国の利上げが問題となっているのに「中国人民元の切り下げ」を受けての「チャイナショック」とか言って売り煽ったことで8月、9月の急落につながり、たいしたことでなかったのに売られたということの反動から10月、11月は急反発となったいうことでした。今回は急落がなかったというだけで、構図は同じなのだと思います。
週末の米国市場は堅調となりましたが、短縮取引で売買高も少なく、為替も円安一服となったことから本日の日本市場も上げ一服となって来そうです。大きく下落するほどの材料もなく「押し目買い」意欲も強いことから底堅さも見られるのでしょうが、円高が進むようであればいったん利益を確保しようという動きから指数も冴えない展開になりそうです。目先的な過熱感も強く、いったん上値が重くなると手仕舞い売りに押されるものも多くなりそうです。
18,000円を超えても一向に買いの勢いは衰えていませんが、いつか買いも止まるということで、18,500円を意識して手仕舞い売りに押されそうです。少なくともいったんは18,000円水準までの調整はあると思いますが、18,000円を意識したところで売り方の買戻しが嵩むようであれば案外値持ちのいい展開となるのかもしれません。
本日の投資戦略
特に注目される材料がないなかで「トランプラリー」の賞味期限を試すことになりそうです。日本でも便乗されている「ブラックフライデー」も好調なようですが、すでに好調ということが織り込まれているという感じで買い一巡感が出てくれば手仕舞い売りに押されるものも多くなりそうです。
ここまで大きく上昇となった要因が米国利上げを織り込むほど世界的に経済が好調ということであれば、ちょっとした不安が出てくれば手仕舞い売りを急ぐこともありそうです。空売りの買い戻しからの値持ちの良さも期待されますが、ここまで買い戻しを我慢できたということであれば、少なくとも18,000円水準を割り込むまで我慢しそうです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
メールマガジン
も配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
【編集部のオススメ記事】
・「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
・資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
・会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
・年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
・元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)