ポリティカル・コレクトネス,差別,選別
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「不法移民の流入を防ぐためメキシコとの国境に高い壁を築く」
「イスラム教徒に対する米入国一時禁止」

こんな発言を行ってきたドナルド・トランプ氏が次期米国大統領に選出された。なぜ、彼が大統領選を制したのか? 様々な分析が行われているが、その一つの理由として「ポリティカル・コレクトネス」からかけ離れた公約を打ち出したことが指摘される。

ポリティカル・コレクトネスとは偏見や差別的な表現をなくそうとする概念であるが、彼はそんなことはお構いなしに「言いたくても言えないこと」を大勢の前で堂々と言い放った。彼の主張に多くの人が、心の底で共感し、拍手を送っていたのだろう。

ポリコレ棒で殴られる銀行員

「おまえたち銀行員は客を差別するのか!」「預金が少ないからと言って差別するんじゃない!」銀行員をやっていると、お客様から何度もそんな言葉を浴びせられる。

多くの場合、銀行員には悪気がないことがほとんどだ。些細な言葉の行き違いで、お客様に迷惑をかけることはある。しかし、ほとんどの銀行員は悪気があって差別的な対応を行っているわけではない。はっきり言って、銀行の窓口はそれほど暇ではないのだ。とはいえ、この手のトラブルがしばしば発生するのが現実だ。「ポリコレ棒で殴られる」とはこんな状況を指すのだろう。

ポリティカル・コレクトネスを直訳すると「政治的正しさ」となるが、年齢や職業、性別、宗教、人種などで差別・偏見を与えることがないような表現との意味で使われることも多い。

銀行というのは民間企業でありながら、公共性が高い組織だ。だからこそ、ポリティカル・コレクトネスが求められる。

一方で前述のように過度に「ポリコレ」を振りかざすお客様が増加し、多くの銀行員が「ポリコレ疲れ」を感じているのも事実である。銀行に限った話ではない。あらゆる職場で多くの人が「ポリコレ疲れ」を感じていることだろう。