ブロック・トレーディングと言う言葉を聞く機会が増えましたが、果たして、どの様な仕組みでしょうか? ある程度の情報収集力とコネが必要になってきますが、利益が期待できる仕組みです。
今、大流行しているブロック・トレーディング
米国の某経済新聞を見ていると、今、株式のブロック・トレーディングが大流行している様です。例年、全米の1年間のブロック・トレーディング額は20億ドル前後、ブーム時(1999年・2004年)であっても80億ドル前後に留まっていたもの、2011年は約123億ドル、昨年(2013年)は約193億ドルに伸び、今年(2014年)は4月15日までの3ヶ月半で130億ドル以上もの実績を叩き出しています。要するに、月平均30億ドル以上に上るブロック・トレーディングが行われており、2011年の3倍以上、昨年の2倍以上のペースに上ります。
ブロック・トレーディングとは
ブロック・トレーディングとは、特定の企業(以下、販売側)が保有している株式を大量に販売する際、株式市場ではなく特定の投資者(以下、仲介者)を通して他の投資者(以下、購入者)に販売する取り引きを指します。販売側が持ち株を大量に販売する目的は色々考えられますが、主な例には「ポートフィリオを入れ替える例」「株式持ち合いを解消する例」の2つある様です。
仲介者は販売側から纏まった株数(数万株~数千万株)を適切な金額で買い取り、それを複数の購入者に転売します。短ければ当日中に全ての取り引きが完了します。仲介者が購入する際、市場より数パーセント低い値段で購入するため、ブロック・トレーディング後は株価がやや低下します。一時期(2009年頃)は約6%低下しましたが、今では約3%低下に留まっています。
ブロック・トレーディングでは仲介者が大量に買い取る場合が多く、昨年は約193億ドルものブロック・トレーディングが行われましたが、件数にして47件しか行われておらず、1回の取り引きで動く金額(平均して約4億ドル)が高い点が分かります。1人の仲介者が全て買い取る取り引きを特に「モノポリー」「ポートディール」と呼ばれており、ブロック・トレーディングの華と言われます。
ディスカウント率を巡る駆け引き
ブロック・トレーディングの決め手は株価が低下する割合、要するにどれぐらいのディスカウント率まで許されるかです。販売側の立場で考える場合、少しでも低いディスカウント率で売る方がお得です。株式としての魅力が高いほど低いディスカウント率で買い取ってくれるため、ブロック・トレーディングする場合に備えて、予め出来高を高めておく方が良いでしょう。
一方、仲介者の立場で考える場合、少しでも高いディスカウント率で買う方がお得です。すぐに購入者に転売する必要があるため、幅が少なければ少ないほど損切りが必要になったり、最悪、売れ残ったりする確率が上昇します。ですから、できる限り高いディスカウント率で買いたいものの、販売側は中々高いディスカウント率を認めておらず、高くても5%前後に留まると言われます。それでも全体の取り引き量が非常に多いため、ブロック・トレーディングに持ち込めれば膨大な利益が生じます。