米国への5兆円投資も10兆円ファンドからの投資か?
トランプ氏とすぐにミーティングが出来る孫社長のネットワークもさることながら、最初のミーティングで5兆円の投資をコミットする経営の「スピード感」も凄いと思う。米国への投資、雇用増については、先の10兆円ファンドを活用すると見られている。
2013年のスプリント買収時に、ソフトバンクは米携帯4位のTモバイルも買収し、合併することで再建を考えていた。ただその野望は、米独禁法と米通信政策の壁に阻まれて実現できなかった経緯がある。トランプ氏と孫社長の5兆円投資の話が米国で伝わると、12月7日のスプリント株は一時10%高と急騰した。市場では、スプリントとTモバイルとの合併の可能性を改めて意識したようだ。
12月12日には、アップルも10兆円ファンドに10億ドル(約1100億円)を出資する方向で協議していると、米ウォールストリート・ジャーナルが報じた。 ソフトバンクは、iPhoneの販売でアップルとも蜜月の関係にある。ヤフーやアリババ、スプリント、アームと大型買収を成功してきた孫社長の実績を評価し、アップルも将来の新規分野をかけて相乗りする格好になる。アップルのベンチャー企業の買収は秘密主義で知られており、投資で他社と協調するのも珍しいことである。世界的なM&Aの大型化でアップルも方向転換しはじめるのかもしれない。
孫社長はオイルマネーだけでなく、米財界をも味方につけつつあるようだ。ソフトバンクの米国での存在感はさらに高まる公算が大きい。ファンドの期待だけでなく、今後米国でのビジネスを円滑に進めていくうえでも優位な立場にあると言えるだろう。
ソフトバンク株は2月安値から90%の上昇
2016年は多くのヘッジファンドのパフォーマンスが振るわず、年金基金など大手スポンサーの解約が相次いだ。そんな運用難の局面だからこそ、ソフトバンクの「SVF」は魅力的な投資先として注目されるのかもしれない。
ちなみに、ソフトバンクの株価は2016年2月に4133円の安値をつけている。2013年以来の5000円割れとなったため、同社は過去最高となる5000億円もの自社株買いを発表した経緯がある。12月に入っての上昇でソフトバンク株は2月安値から90%以上値上がりしている。自社株買いの含み益もかなり乗ってきているはずだ。常に新しいことにチャレンジし続けるソフトバンクの動きから目が離せない。(ZUU online 編集部)
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