住宅,住宅 財形
(写真=Thinkstock/Getty Images)

財形貯蓄という言葉を聞いたことがある方は多いだろう。すでに加入しているという方もいるかもしれない。財形貯蓄は、いわば「会社を通して貯金する」制度である。

財形貯蓄は、誰でも加入できるわけではなく、勤務先企業がその制度を導入していなければ利用できない。メリットも多く「いつかはマイホームを」という夢がある方であれば検討に値する制度と言えるだろう。今回は、財形貯蓄の中でも「財形住宅貯蓄」に焦点をあて、解説していく。


財形住宅貯蓄とは

財形貯蓄とは「勤労者財産形成貯蓄制度」と言われ、企業の福利厚生の一つである。一般的には「財形貯蓄」と呼ばれ、貯蓄の目的に応じて3つの種類がある。今回解説する財形住宅貯蓄もその中の一つだ。その他に、使用用途が限定されていない「一般財形貯蓄」、老後の生活資金を貯めるための「財形年金貯蓄」がある。

財形住宅貯蓄は、住宅の購入・建設・リフォームに必要な資金を貯めることを目的に、一定額を給与から天引きというかたちで貯蓄を行う制度である。天引きされた資金は、企業が金融機関に送金を行い、今後のマイホームのために貯蓄を行うシステムである。住宅以外での用途で資金を引き出す場合には、後述する税制面でのメリットは受けることができない。

貯蓄の目的を明確にしていれば、大変メリットの大きい制度と言えるだろう。住宅を購入するために資金を確実に貯めたいという方は、まず自身の勤務先に財形貯蓄制度が導入されているかどうかを確認して、手続きを行う必要がある。

財形貯蓄制度は、勤務先企業が導入をしていない場合には、利用することができないのだ。それ以外の手段で貯蓄、資産運用をしていく必要がある。もし、勤務先に制度が用意されており、今後住居購入等の予定があるのであれば、メリットデメリットを把握した上で、加入を検討してみることをお勧めしたい。

マイホームの要件

財形住宅貯蓄は、1人1契約までとなっている。加えて、契約時に55歳未満であること、積立期間は原則5年以上であることなどの条件がある。財形住宅貯蓄は先述したように、住居の購入等を目的とした貯蓄であるため、それ以外の用途では利用できない。正確には、引き出すことはできるが、利子部分に対し遡って5年分の課税がされる。

「マイホーム」の要件としては、床面積が50平米以上、中古住宅の場合20年以内に建設されたものであること(耐火構造であれば25年)、自身が居住するための住居であること、リフォームの場合には、工事後の床面積が50平米以上であること、工事費用の総額が75万円以上であることだ。

財形住宅貯蓄のメリット

将来、住居を購入するという方には財形貯蓄制度ならではの特典を受けることができる。その最たるものは「財形住宅融資」である。財形住宅融資とは、住宅金融支援機構からマイホーム購入などに必要な資金の融資を受けることができる制度だ。

財形住宅貯蓄だけではなく、その他の財形貯蓄(一般財形貯蓄、財形年金貯蓄)を1年以上継続していれば、対象となる。加えて、申込日前2年以内に預け入れを行っていること、申込日における残高が50万円以上であること、勤務先から住宅手当などの負担軽減措置を受けられることが要件である。

財形貯蓄残高の10倍もしくは、住居の新築・購入・土地取得(整備を含む)・リフォームに必要な額の90%のいずれか低い額が融資可能額となる。

さらに、財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄は税制面でのメリットもある。元本550万までの利子分が非課税となるのだ。低金利の商品の場合には、そこまでメリットはないかもしれないが、場合によっては大きなメリットにもなる。ただし、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の両方を利用している場合には、その合計額が550万円までとなるので、注意してほしい。

財形住宅貯蓄のデメリット

財形住宅貯蓄のデメリットとしては、商品によっては金利部分で大きな期待ができないという点だろう。もちろん、勤務先の用意している商品に高金利なものがあればメリットにもなるが、原本割れがある商品であればデメリットも大きくなってしまう可能性がある。 同じ資金を自身で運用した場合と比較し、よりメリットが大きい方を選ぶべきである。

さらに、ご存知の方も多いと思うが預貯金にはインフレのリスクが伴う。今後、日本の物価が上昇していけば現在の100万円は、住居購入時の100万円と同額とは限らない。安易に財形住宅貯蓄を始めるのではなく、全体を俯瞰して、選択肢の一つとして活用するのがいいだろう。

財形住宅貯蓄だけでは不十分

住居購入を前提に、確実に一定額の貯金を作りたいという方にとって、財形住宅貯蓄はメリットが大きい制度である。しかし、「それだけ」では不十分であることは言うまでもない。あくまで選択肢の一つとして、財形住宅貯蓄は「確実に貯める」部分の役割を担い、それ以外の資産運用も必要となってくるだろう。

財形貯蓄は、会社を通した預金である点で、なかなか解約しづらいという隠れたメリットもある。この制度をうまく活用してほしい。

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