トランプ氏,記者会見
(写真= Joseph Sohm/Shutterstock.com)

3日の東京市場は、ドル円相場が117円39銭で始まったものの、お正月休みのため、方向感の乏しい展開となった。海外市場では、米10年債利回りの上昇や、米ISM製造業景況指数の結果などからドル高の流れとなり、一時、118円61銭まで上昇した。ただ、米国株の下落に連れる形で、117円台まで下落してニューヨーククローズとなった。

4日の東京市場は、大発会の株高に連れる形で、118円20銭まで上昇したものの、その後伸び悩み、海外市場では、ドル売りの流れとなり、117円04銭まで下落した。ただ、FOMC議事録のタカ派的な内容から終盤にかけてやや持ち直した。

5日の東京市場は、中国元が対ドルで大幅に反発したことなどからドル売りの流れとなり、116円台まで下落した。海外市場でもその流れは続き、米10年債利回りの下落などから、115円21銭まで下落した。

6日の東京市場は、朝方に115円05銭を付けたものの、前日とは一転、中国元が対ドルの取引でドル買いの流れとなったことで、ドル円相場でも116円台を付けた。海外市場では、米12月雇用統計で、非農業部門雇用者数が15万6000人増と市場予想の17万8000人に届かなかったものの、平均時給は前年比2.9%の伸びで2009年以来で最大の伸びとなったことで、一時、117円18銭まで上昇し、117円台で週の取引を終えた。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、10日の中国12月消費者物価、中国12月生産者物価、12日の11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、13日の中国12月貿易収支、米12月生産者物価、米12月小売売上高などである。また、11日もしくは12日に予定されているトランプ次期米国大統領の記者会見に注目が集まっている。

今週の外国為替であるが、注目された米雇用統計で、非農業部門雇用者数はやや市場予想を下回ったものの、平均時給が2009年以来最大の伸びを記録しており、好感する形でのドル高を引き続き想定したい。しかし、トランプ氏の会見で、ドル高をけん制する発言があるとの見方も広がっていることから、週の初めから、ポジションを調整する動きと、その発言から、ドル円相場でも円高方向に進む動きとなる可能性が高い。

また、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、1σと2σの間であり、週足14週のRSIは、60%台後半となっていることから、過熱感は残るものの、昨年末頃と比較すれば、やや落ち着きを見せていると言える。

以上を考慮すれば、テクニカル面での過熱感が残っていることに加え、シカゴIMMポジションで円売りポジションが大幅に増加している現状から、トランプ氏の会見を前に投機筋を中心にポジションを調整する動きと、会見後の巻き戻しの動きから弱気で考えるのが妥当だろう。

また、直近では、人民元相場が荒い値動きとなっており、消費者物価や生産者物価指数発表後にも同様の流れが想定されるため注意したい。(ZUU online 編集部)

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