昨年5月、ビットコインの発明者「サトシ・ナカモト」であると自らと名乗り出て一躍注目を浴びた豪情報工学者、クレイグ・ライト氏が、オンラインカジノの運営者として知られるカナダの起業家、カルヴィン・エアー氏の支援をうけ、英国で70件以上のブロックチェーン特許を申請中であると、3月2日にロイターが報じた。
特許分野は医療記録からWiFiセキュリティーにまでおよび、将来的には400件の特許取得が目標だという。
将来的には特許400件に拡大?ブロックチェーン知識の知的財産化
ロイターは独自に入手した書類やeメールから、両者がすでに特許申請を行っていること、今後さらに多くの特許を申請する予定であることなどを報じた。
この報道が真実であれば、突然の告白で世間を騒がせた後、多くの疑問を残したまま姿を消したと思われていたライト氏が、水面下で着実に「浮上準備」を整えていたことになる。あるいはこの準備のために、一時的に姿を消していたと考えられないこともない。
ライト氏がパートナーとして選んだのは、ボードッグ・エンターテインメント・グループの設立者兼CEO、カルヴィン・エアー氏。オンラインカジノで財を成した人物だが、ロイターはボードッグの事業基盤がアルゼンチンにある点を指摘している。
ライト氏がアルゼンチンのEITCホールディングスをとおして50件以上の特許を英国で申請していたことは、昨年6月、複数のメディアの報道から明らかになった。ロイターはこのEITCとエアー氏との関連性をほのめかしている。
また両者に個人的な付き合いがあることは、エアー氏がFacebookに投稿した写真やコメントから確認ずみだ。
関係者の話によると、両者が検討している特許申請件数は400件にものぼるという。ビットコインに代表される仮想通貨やブロックチェーン技術が世界を変え始めた今、もてるかぎりの知識や経験を知的財産化することで、想像もできない規模の利益を生みだすことが可能だろう。
残念ながら報道の真相については、両者から確認がとられていない。カジノ情報サイト「Casino.org」が報じたところでは、エアー氏はこの報道について「面白いネタだが、ロイターは偽の情報をつかまされたようだ」とFacebookに投稿したそうだ。この言葉を額面どおりにうけとるか否かは、今後明らかになるだろう。( FinTech online編集部 )
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