今日は「家族ぐるみで賢い資産運用をする」ということをテーマに、家族のお一人お一人がNISA口座を保有するメリットについて述べていきたいと思います。
NISAを活用した投資のヒントとなれば幸いに存じます。
家族でNISA(ニーサ/日本版ISA)口座を作ることのメリット
NISA口座を作って投資をすると、100万円までの投資元本から生じる利益については非課税となります。
このNISA口座は個人を基準に1人1口座まで作ることができます。逆に言えば、銀行や証券会社を変えてもお1人で複数のNISA口座を保有することはできません。
非課税のメリットは「1人1つまで」ということです。
しかし、資産運用は個々人の問題ではなく、家族全体で考え、取り組むべきテーマということができます。
現在の不安定な経済状況の中、家族全体の安定した生活を考えることは、1個の「家庭のテーマ」ということができるのではないかと思います。
そこで、NISA口座を家族の方が1人1つずつ保有してそれぞれで投資をすることで非課税のメリットを家族分だけ受けることができます。
例えば、夫婦お二人とお子さんがおられる家庭であれば3つまでNISA口座を作ることが可能です(ただし、NISA口座を作ることができるのは成人の方に限りますので、お子さんが未成年者の場合にはで2つとなります)。
そして、家族の方それぞれで金融商品に分散投資をされれば、非課税のメリットを家計単位で複数受けることが可能となります。
また、NISA口座を開設(金融機関や証券会社の窓口で開設することができます)すると、口座開設に当たってのそれぞれの機関ごとのサービスを受けることができます。
この口座開設のサービスを家計ごとに複数受けることができるというメリットも期待することができます。
そして何より、家族で資産を蓄えるということについての共通意識を形成することができ、「お金」の問題について家族全体で考えるきっかけとすることができます。
このように家計単位・家族ぐるみでNISA口座を開設することには様々なメリットがあるということができます。
家族で資産運用を始めるにあたってのポイント
家族でそれぞれNISA口座を開設されて、金融商品を購入する場合、最も注意すべきポイントは、家族で資産運用をされる際にそれぞれのご家庭ごとに投資に回すことができるお金の上限・範囲をきっちりと決めることです。
「どのような株式銘柄に投資すべきか」や「どの投資信託がより安全か」という点については、二の次、三の次といっても過言ではありません。投資をする際に最も重要なことは投資に回すことができるお金の限界をあらかじめ決めることです。
投資は、利益が出るときもあれば損失が出る時もありますので、生活に必要なお金(弔辞や家族の進学・結婚などの大きなライフイベントの際のお金も含みます)を超えた「余剰のお金」だけで行うのが投資の鉄則です。投資はお金を社会に放出して社会の役に立たせると同時に、投資で成功した場合には配当等の形でリターンを得るという仕組みです。つまり、成功する場合もあれば失敗する場合もあるというのが投資です。常勝無敗といった状態は投資では絶対にありません。
そのため、生活に必要なお金に手をつけることだけは、投資では絶対に避けるべきです。
いわば、投資に回すことができるお金は「毎月のお小遣いの範囲」といったイメージが望ましい投資スタイルということができます。そのため、NISA口座を開設後、投資を始める前に、それぞれのご家庭内で収支のバランスを考えながら、投資に回すことができるお金の範囲を決定することが最も重要となります。期間は月ごと、年ごとなどを単位に考えると試算がしやすくなると言えます。また、収入と支出のバランスに加えて弔辞や結婚などのライフイベントのためのお金も考慮に入れることが重要です。
余剰資金の額が確定すれば、あとは家族で「成功と失敗」を繰り返しながら、実際に投資を行って資産運用をするということになります。
投資の結果について家族で話し合い、利益が出た場合には家族でレストランに食事に行くなどされることも家族間の絆を深め、コミュニケーションをとる上でとても意味があるということができます。
具体的な投資方法のヒント
家族でNISA口座を作って投資をされる場合には、投資をするメンバーが複数になるという強みを徹底的に生かして投資をすることが一つ投資方法としておすすめすることができます。
例えば、ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンの商品の組み合わせで投資をされるという方法はどうでしょうか。
旦那様はハイリスク・ハイリターンの商品で冒険をして、奥様はローリスク・ローリターンの商品で着実にお金を増やしていくなどといった方法です。
これによって、仮にハイリスク商品で損失を出してしまってもローリスク商品で損失の回収を図ることができる可能性が大きくなります。
具体的な投資方法としては、例えば、外国銘柄の株式(ハイリスク・ハイリターン)と国内の投資信託(ローリスク・ローリターン)への投資などの分散投資が考えられます。
また、このような投資方法を取られた場合、損失を緩和することができない(損益通算の不可・損失の繰越控除不可など)というNISAのデメリットもカバーすることが可能となります。
ハイリスク商品とローリスク商品へのNISA口座での投資は、おすすめすることができる投資方法の一つです。
他にも、共働きの家庭の場合や旦那様とお子様が別の業界にある場合にはそれぞれ得意な業界ごとに投資先を分けるということも考えられるでしょう。 このように、家族一丸となって投資をされ、資産形成をされていくことは、家族の絆を深め、安心した家族の将来を作るために大いに役立ちます。