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今回はNISA用口座を具体的に開設するにあたってのポイントをまとめてみます。

NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。

これからNISA用口座を開設される方のご参考となれば幸いです。


NISA(ニーサ/日本版ISA)口座は作り変えることができない

NISA用の口座の開設にあたって、まず、注意していただきたいことは、一度NISA用の口座を開設してしまった後は、基本的にもう一度NISA用の口座を作ることはできないという点です。これは、金融機関を変えても同じです。
NISAは非課税制度という性質から、税務署への届出が必要です(実際の届けでの手続きは銀行などが行います)。その関係から、銀行を変えるなどによっても複数のNISA用口座を作るなどはできません。

具体的には①2014年から2017年まで②2018年から2021年まで③2022年から2023年までの期間はNISA口座を変更することはできません(2013年10月現在の情報です)。
そのため、誤ってご自身の興味がある、投資したい金融商品を扱っていない金融機関でNISA口座を開設してしまった場合には、非課税のメリットを受けることができなくなってしまいます。このため口座開設にあたっては、口座開設前に担当者に確認するなどして金融商品をしっかりと確かめることが重要です。


金融商品売却時の注意点

次は、NISA用口座で購入した金融商品を売却するにあたっての注意点です。NISA用口座を利用して購入した金融商品を売却するのは自由となります。しかし、売却にあたっては様々な注意が必要となります。

まず、売却の際に損失がでてしまったとしても、損益通算ができないという点は注意のポイントです。損益通算とは、他の金融資産の口座の損益を全部足し引きして、利益が出ているかどうかを通算することができるという税法上の制度です。
この制度を利用することで、通常は、例えば、Aの口座で100万円の利益が出ていてもBの口座で120万円の損失が出ていれば、利益はないということになり税金はかかりません。
しかし、NISA口座については、この損益通算が認められないのでNISA口座において損失を出してしまい、総合すればマイナスとなっていても、他の課税口座でプラスとなっている場合には、利益があるとされて課税されるということになります。

次に、金融商品売却の際に損失が出たとしても、損失を3年間繰越ができる制度(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)を利用できないというデメリットもあります。

さらに、利用限度額は1年間を通して100万円が限度です。この枠は、商品を売却しても回復することがありません。そのため、例えば、80万円分の株式をNISA口座で購入した場合、同じ年度でNISAの適用を受ける口座を作ることができるのは残り20万円が限度となります。
80万円の株式を売却した後でも、同じ年度で利用できる非課税枠は20万円までとなります。そのため、どの商品に投資するかという点は慎重に行う必要があります。

NISAは非課税のメリットがある分、損失が出た場合でも特例的な救済はされないということになっています。また、枠の再利用もできないこととなります。そのため、NISA口座を利用した金融商品の購入の際には、例えば、投資信託など極力、損失を出さない商品を購入されることが一般的にはおすすめできます。


サービスにあまり注意を惹かれすぎない

最後にNISA用の口座開設にあたっては、付随的なサービスにあまり目を奪われない姿勢が大切です。NISAのスタートにあたって、銀行や証券会社が、口座開設者に向けて様々なサービスを提供しています。
例えば、期間限定で商品券を配布してくれたり、NISA口座の無料説明会など様々なサービスを行ってくれています。この際、セールスマンのトークも魅力的に聞こえるものも多いかもしれません。

しかし、既に述べましたように、NISA口座は基本的に1人1口座しか作ることができません。A金融機関でNISA口座を開設した後は、最大で4年間、同じ口座を保持し続けることとなります。
そのため、目先の利益に心動かされてしまい、希望の金融商品を取り扱っていない金融機関でNISA口座を開設してしまうなどしてしまった場合には本末転倒となってしまいます。

例えば、NISA口座の利用方法として、安定した投資信託商品や値崩れがあまり予想できない上場株式等を購入し、税負担なく、将来の余剰資金を少しでも増やしたいと考える際に、NISA口座を開設してみたところ、商品の扱いがなかったというのではあまりに残念です。

NISAは銀行や証券会社の利益のための制度ではありません。国民が少額で投資をすることを促すための制度です。利用の主体はあくまでもご自身です。そのため、NISA口座開設にあたっては、特典やセールストークなどはあくまでも副次的なものとして理解し、ご自身がどのような金融商品を購入して、どのような資産運用をしたいのかという点を考慮することが最も重要となります。

NISA口座を開設されて、投資を「楽しむ」という余裕を持ち、かつお望みの資産運用ができることをお祈りいたします。

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参考記事: NISA始める賢い資産運用〜口座開設の基本を解説〜 (NISAONLINE)
参考記事: NISAで始める株式投資〜株主優待制度のある株式をNISA口座で購入してみる〜 (NISAONLINE)

photo credit: xiaming via photopin

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