SBI証券と楽天証券が5月18日、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」の管理手数料無料化を発表して大きな話題となった。5月はそのほかにも投資家が知っておきたいニュースの発表が相次いだ。「投資家必見の情報」として5つ紹介していこう。

(1)iDeCoの管理手数料無料化

iDeCo,NISA
(写真=PIXTA)

iDeCoは私的年金として、長期で毎月一定額を積み立てる制度だ。17年1月から加入対象者が拡大し、20歳以上から60歳までなら基本的に誰でも参加出来るようになった。

積立額に制限があり、払い戻しの時期にも縛りがあるが、運用益には税金はかからない。さらに大きなメリットは、積立額を年間所得から控除できるために節税効果が大きいことだ。

所得控除で所得税と住民税の評価が下がる。例えば年収300~400万円の人が毎月上限の2万3000円を積み立てると年間約4万円の節税になる。仮に投資したファンドが値上がりしなくても、毎年これだけの節税効果があるのは大きい。

長期運用で大事なのは運用コスト。iDeCoでかかる費用には、年金企業連合会に払う103円と管理している信託銀行に払う64円のほかに、iDeCo口座を開設した金融機関に払う運用管理手数料がある。

冒頭でもご紹介したように、SBI証券、スルガ銀、楽天証券といった金融機関が運用管理手数料のゼロを発表した。NISA以上に長期運用に適した商品になっており、チェックしてみよう。

(2)NISAの大量失効の危機

NISA(少額投資非課税制度)が大量失効のリスクに直面していることを日本経済新聞電子版が5月23日に報じた。

NISAは14年1月に開始してから口座数は16年末で1069万口座に達した。非課税枠は17年末で一旦終了し、マイナンバーを17年9月末までに提出していれば非課税枠が継続される。未提出の場合は失効となる。

18年1月以降にNISA口座を継続するには、17年9月末までに口座を開設している金融機関にマイナンバーの届け出が必用になるが、この告知が進んでおらず、届け出の受理が進んでいないようだ。

5月時点でマイナンバー届け出済のNISA口座は、全体の半分にも満たないようで、告知が徹底されずに失効してしまう口座が大量にでる可能性がある。

NISA口座を持っている場合確認していただきたい。そもそもNISA口座は、作ったものの稼働していないアカウントが半分程度あるという。マイナンバー提出で不稼働口座が一気に減少するかもしれない。

(3)仮想通貨が高騰

改正資金決済法が2017年4月1日から施行、「仮想通貨」が定義され法規制の対象となった。仮想通貨取扱業者は仮想通貨交換業として登録が義務化された。また、7月1日からは仮想通貨の譲渡について消費税を非課税とすることも決まっている。

仮想通貨最大手のビットコインを使って決済できるECサイトが急速に広まってきた。ANA傘下のLCCのピーチ・アビエーションや家電量販大手のビックカメラもビットコインの決済サービスを打ち出している。

東証マザーズに上場のリミックスポイント <3825> の子会社でビットコイン(BTC)の取引所を運営するビットポイントジャパンは、大手コンビニでもBTC決済導入の協議をしていると発表した。リミックスポイントの株価は5月で4倍以上になった。

みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルなどメガバンク系の企業はBTCの仮想通貨取引所のビットフライヤーに出資している。MUFGグループも仮想通貨取引所に出資しており、仮想通貨は確実に広がりをみせてきた。

5月は多くの仮想通貨の価格が急上昇した。最大手のビットコインは対円で5月末には1BTC 26万5000となり、5月の上昇は約80%に達した。高値は約33万5000まであった。小型の仮想通貨はさらに高騰した。国内で取り扱いのある仮想通貨では、NEM(XEM)が約5倍、リップル(XRP)が約7倍になった。

(4)投信が100円から購入可能に

SBI証券は5月25日から、投信の最低買付金額を100円に引き下げた。これまではスポットの買いは1万円以上、毎月積立に関しては500円以上だったが、ともに100円以上1円単位に変更した。

最低単位の引き下げは、資金があまりない人や子供でも長期積立投資のエントリーがしやすくなるとともに、分散投資もやりやすくなるメリットがある。例えば月々500円の積み立て投資でも、日本株に200円、海外株に200円、REITに100円といった分散投資ができるからだ。

(5)つみたてNISAは20年間非課税に

森信親金融庁長官は4月の講演で、投信の現状がテーマ型の投信や、毎月分配型の投信などが主流で、つみたてNISAの対象となり得る投信が1%にも満たないとして、業界関係者に強く改善を求めた。

金融庁が3月にまとめた「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」の報告書でも、長期投資ではコストを重視すべきだとし、コストの低いパッシブ型のインデックス投信やETFのメリットに言及している。

つみたてNISAでは販売手数料ゼロのノーロード投信に限定し、信託報酬には一定の上限を課すべきだとも示唆した。SBI証券や楽天証券のiDeCo手数料無料化、SBIによる投信の小口化はその流れに沿ったものだろう。

18年1月からつみたてNISAが始まる。毎年40万円までの投資から得られる利益を20年間非課税にできる新制度だ。現行のNISAとの併用は出来ず、どちらか選択することになるが、今までのNISAの中途半端な5年という期間を改正し、積立が出来るようになったことは、大きな前進と言えるだろう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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