シンガポール
(写真=Thinkstock/GettyImages)

ここ数年、特に東京・名古屋・大阪などの富裕層密集エリアでは、外資系金融機関を中心に海外への資産移転が積極的に斡旋されているようだ。
有名な所でも、この数年で、HOYAの鈴木CEOがシンガポールへ、ベネッセの福武会長がニュージーランドへ、サンスターの金田会長がスイスへ、バルスの髙島社長が香港へと、ビックネームが動いている。

また、海外移住を仲介する会社というのもあちこちで出てきている。Googleで検索すると、全部チェックすることを諦めるくらいの会社数がヒットし、全体の概要や有用な情報を把握する事も難しい。

そこで、特に富裕層向けの移住の候補として人気の高いシンガポールを例に、その実態と注意点をまとめてみた。
(最初に断っておくと、あくまでも私は海外移住は賛成の立場です。ただ真実を理解して欲しいという想いで書いています。)

役立つものになると嬉しい。

◉海外移住の斡旋は、誰が積極的に行っているのか?


海外に受け皿のある外資系の金融機関や海外にネットワークを持つ仲介会社が多い。

特に話を持ってきているのは、UBSやクレディスイスなどの日本で積極的にビジネスを展開している外資系プライベートバンクだ。また日本にオフィスは無いが、シンガポール系のPBであるバンクオブシンガポールなどは、海外から日本へ積極外交していることで有名。
(しかし、2004年にシティバンクが金融庁より営業停止処分を受けたように、日本でビジネスを展開する金融機関は当局に目をつけられないように慎重にやっている。)

参考: プライベートバンクへの期待〜その幻想と真実〜


◉斡旋業者は何をしているのか?


大袈裟に言うと、富裕層達の不安を煽り、国内の税制の高さや国内に資金を置いておくことの危険性を語り、スイスやシンガポールや香港への資金移動と移住を薦める。

その大きなセールストークとして、永住権を簡単に取得できるし、また全ての手配を手伝うと謳う。

参考: 海外逃避したい日本人VS規制を強化する日本政府

◉どのように永住権を取得するか?〜シンガポールの例〜


以前は、シンガポール政府公認の金融投資スキーム(FIS)を使うことが一般的だったが、このスキームは2012年4月に廃止されたため、今ではグローバル投資プログラム(GIP)というスキームを使う事が一般的になっている。

重要視される審査基準

・過去の顕著なビジネス実績
・事業家としての経歴
・ビジネスプランまたは投資計画を提供
・以下のオプションのいずれかに該当

◯オプションA:250万ドル(SGD)をニュービジネス、もしくは既存事業の拡張へ投資

◯オプションB:250万ドル(SGD)をGIPが承認するベンチャーキャピタルファンドへ出資

※250万ドル(SGD)は日本円で約1億8200万円(2013年2月2日現在)

参考: 海外移住の基礎知識4 アジア編