「これがハンバーガーなのか!」
マクドナルドのハンバーガーを初めて食べた時はあまりの美味しさに感動したものだ。
子供の頃、筆者の地域では「マック」と呼んでいたが、あの時代はクラスメイトの誰もがマックのハンバーガーが大好きだった。ハンバーガーだけではない。サンデーも大人気だった。一度で良いからサンデーを徹底的に食べてみたいと思ったものだ。
ともあれ、ハンバーガーを日本の食生活に広く浸透させたのは、日本マクドナルドホールディングス <2702> といっても差し支えないだろう。そんな同社も一時は食品安全問題などで客足が遠のき、迷走していたが、ここにきて業績・株価ともに元気を取り戻している。今回は「マック復活」の背景に迫ってみたい。
世界的に高級バーガーがヒット
7月25日、米国マクドナルドが今年4〜6月期の決算を発表した。
不採算店のスクラップ・アンド・ビルドを世界的に進めたことで売上は前年同期比3%減となったものの、既存店売上高の増加、高級バーガーのヒットで営業利益は同24%増と大幅増益となった。この好決算を受けて、ニューヨーク証券取引所で同社の株価は前日比5%高と上昇、過去最高値を更新した。
スティーブ・イースターブルックCEO(最高経営責任者)は、アナリスト向けのテレフォンコンファレンスで「売上面でも利益面でも日本マクドナルドの寄与が大きい」と語った。マックに愛着のある筆者としては嬉しい限りであるが、それにしてもイースターブルック氏の指摘する「日本マクドナルドの寄与」とはどのようなものなのだろうか。
営業利益が「42倍増」の64億円に
もともと日本マクドナルドHDは株主優待が魅力的な銘柄として個人投資家に人気がある。6月末・12月末の株主は「無料ハンバーガーセット」の冊子がもらえるのだ。
ここで注目されるのは「権利落ち後」の株価である。
6月末・12月末の権利落ち後は「株価が一時的に下げる」ことが多いのであるが、今年は6月末の権利落ち後も株価は上昇し、7月21日には年初来高値を更新したのだ。
株価の上昇を牽引しているのが業績だ。
今年5月10日に発表した日本マクドナルドの1〜3月の売上は17%増の610億円、営業利益は42倍増の64億円と大幅増収益だった。同時に2017年12月通期の売上予想を2365億円から2460億円に4%、営業利益予想を90億円から150億円に67%上方修正したのである。
ファンやマニアを刺激する「ビッグマック祭り」
好業績を牽引しているのは既存店売上の復活だ。2017年の1〜6月は既存店売上が14.3%増、客数は11.4%増、客単価は2.6%増。既存店、客数とも2桁の伸びとなっている。
この背景には、100円マックなどの低価格から「高価格帯へのシフト」の成功があるようだ。4月に発売したグランドビッグマックは予想の2倍近い売れ行きを記録。6月からはギガビッグマックの数量限定での復活に加え、ビッグマックソースの販売など「ビッグマック祭り」を開催した。こうした話題づくりが集客増をもたらしたと見られる。
筆者にとっては、マックのハンバーガーの中でもビッグマックは特別な存在である。あのボリューム感がたまらないのだ。マックで最も人気の高い商品の一つと見られるだけに、こうしたファンやマニアを刺激する話題づくりは大歓迎だ。
「食品安全問題」が発生する前の2013年の売り上げには未達であるが、月次レベルでは同年の売り上げを回復しつつある。8月9日には4〜6月期決算の発表を予定しており、引き続き市場関係者の注目を集めそうだ。(ZUU online 編集部)
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