三菱UFJフィナンシャル・グループが、金融サービスでイノベーションを起こそうとサービス・商品の開発をしているスタートアップを支援する「MUFG DIGITALアクセラレータ」。その取り組み成果を発表するデモデーが7月28日、東京・八重洲で行われた。

スタートアップ7社が参加したこのプログラムのグランプリには、不動産関連プロジェクトのためのP2Pファイナンスマーケットを運営する「Crowd Realty」(クラウドリアルティ)が選ばれた。準グランプリは「AnyPay」(エニーペイ)と「Nayuta」(ナユタ)が受賞。パートナー賞のうち、Amazonが提供するAWS賞にはロボット投信が、PR TIMES賞には参加した全7社が選ばれた。

参加スタートアップと金融機関の協業に関するリリースが続々

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(左から)MUFG亀澤氏とクラウドリアルティの鬼頭武嗣CEO(写真=FinTech online編集部)

昨年の第1期は「MUFG Fintechアクセラレータ」として行われたこのプログラム。今年はクラウドリアルティ、エニーペイ、ナユタ、ロボット投信のほか、シマント、Good Manoyger(グッドマネージャ-)、OLTA(オルタ)が参加。今年春先から数カ月、FinTechや先端技術、その他リスク管理やデジタルマーケティングなどの領域に精通しているメンターから指導やアドバイスを受けながら、サービスの開発、企画のブラッシュアップに努めてきた。

グランプリに選ばれたクラウドリアルティは、不動産証券化とクラウドファンディングを組み合わせた、不動産関連プロジェクトのためのP2Pマーケットプレイスを運営。エストニアにも子会社を持つなど既にグローバルに事業を営んでいる。

アクセラレータ プログラムでは、自社開発の証券化スキームを用いて、日本初となる京町家の証券化・資金調達プロジェクトを実現。この仕組みを利用することで、地方の資金需要者とリスクマネーの提供者とつなぎ、地域で資金が循環する仕組みを構築し、地方創生につなげたいという思いがあるそうだ。

準グランプリのエニーペイは2016年6月に設立。スマホやPCで簡単に販売、支払いができるオンライン決済サービス「AnyPay」と、割り勘アプリ「paymo」(ペイモ)を提供している。一方のナユタは、Internet of ThingsとInternet of Moneyを組み合わせることで新しい価値を創造することを目的として2015年3月設立。ビットコインに代表される、ネット上で価値をセキュアに交換できるIoMを応用したプロダクト開発に取り組んでいるという。

参加したスタートアップ7社の全員と審査員らが登壇(写真=FinTech online編集部)
参加したスタートアップ7社の全員と審査員らが登壇(写真=FinTech online編集部)

プログラムの審査員は5人で、MUFGチーフデジタルトランスフォーメーションオフィサーである亀澤宏規氏、グロービス・キャピタル・パートナーズのマネージング・パートナー仮屋薗聡一氏、東京大学エッジキャピタル社長マネージングパートナーの郷治友孝氏、三菱UFJキャピタル社長の半田宗樹氏、三菱総合研究所常務研究理事の村上清明氏が務めた。亀澤氏は賞のプレゼンターも務めた。

グランプリには副賞として200万円が、準グランプリ2社にはそれぞれ同じく50万円が贈られたほか、参加したスタートアップからは同日、新しい協業に関するリリースが次々と発表された。(FinTech online編集部)

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