前週(7/24〜7/28)の日本株は2週連続の下げとなり引け値ベースで3週間ぶりに2万円の大台を割り込んで取引を終えた。

26日の米FOMCでFRBは金融政策を予想通り据え置いた。声明が物価上昇率の低下を懸念する内容であったため、イエレン議長が利上げに対してハト派的になったと市場は判断し、ドル安が進行した。円は対ドルで110円台まで買われ、日本株はさえない展開となった。

日経平均の週間の引け値は1万9959円84銭と前週末比139円91銭(0.7%)安。週間高値は7月27日の2万0176円39銭、安値は24日の1万9901円88銭。週間のレンジは274円51銭だった。

前週(7/24〜7/28)の振り返り

株式展望
(写真=PIXTA)

24日の日経平均株価は続落、前週末比124円08銭(0.6%)安の1万9975円67銭で引けた。

7月18日以来4日ぶりの2万円割れ。ECBのテーパリング懸念でユーロ高・ドル安となっており、クロス円で円高が進んでいる。円相場が一時対ドルで110円台をつけ輸出関連銘柄に売りが拡がった。

日経平均は午前中200円近く下落する場面があったが、日銀がETF買いを入れたため午後から下げ幅を縮小した。東証1部の売買代金は1.91兆円と活況と言われる2兆円を2日連続で下回った。

25日の日経平均は小幅ながら3日続落、前日比20円47銭(0.1%)安の1万9955円20銭で引けた。

朝方は111円30銭台まで円安が進行し日経平均は一時2万円を回復したが、FOMC待ちで模様眺めとなった。日銀が連日のETF買いを入れたが、東証1部の売買代金は1.88兆円と3日連続で2兆円を下回った。

26日の日経平均は4営業日ぶりに反発、前日比94円96銭(0.5%)高の2万0050円16銭と3日ぶりに2万円を回復した。

25日のNYダウは100ドル高。一時史上最高値を更新した。円も112円台まで円安となり、先物や輸出関連株の買い戻しなどが牽引して日本株は上昇、東証1部の売買代金は4日ぶり2兆円超えとなった。

27日の日経平均は小幅に続伸、前日比29円48銭(0.2%)高の2万0079円64銭だった。

任天堂や日本電産など主力ハイテク企業の4−6月期の好決算が市場心理を改善させた。一時は2万0176円と前日比126円高の週間高値までつけていたが、引け間際に国内投資家による利益確定と思われる売りが拡がり伸び悩んだ。東証1部の売買代金は2.54兆円まで膨らんだ。

28日の日経平均は3日ぶりに反落、前日比119円80銭(0.6%)安の1万9959円84銭で引け、3日ぶりに終値で2万円を下った。

27日のNY市場でNYダウは続伸して史上最高値を更新したものの、午後からハイテク株が急落しハイテク比率の高いナスダック指数が下げた。円が再び110円台に入ったこともあり、市場の主力銘柄である半導体関連やIT関連銘柄が先行して下げる展開となった。週末でもあり午後には手仕舞い売りが加速し下げ幅は一時150円を超えた。東証1部の売買代金は2.77兆円と6月16日のメジャーSQ以来となり、出来高を伴った下げだった。

先週の海外動向を振り返る

28日NY市場でNYダウは33ドル高と4日続伸3日連続で史上最高値を更新した。週間でも250ドル(1.2%)高と大きく反発した。

米国株式市場が上げている背景は2点。1点目はFRBが利下げに対する態度を軟化させはじめたこと。米景気のピークアウト懸念、インフレ率の低下懸念が台頭しているが、それに対応してFRBがハト派になってきた。低金利の継続は株式市場にはプラス。2点目は好決算。ピークを迎えた4−6月の決算の大半が予想を上回るものであること。木曜日に急落して懸念されたハイテク株も下げ渋り、ハイテク比率の高いナスダック指数はマイナス7ドルと続落しているが、45ドル安から下げ幅を縮小して引けている。

もっともドル円は一時110円55銭と6月15日以来の円高となった。この日発表の17年4−6月期のGDP速報値が前期比2.6%増と市場予想の2.7%を下回り、米長期金利が低下しドル安が進んだ。

北朝鮮が深夜にICBMを発射したと伝わったが為替相場への影響は限定的だった。 NY株高も円高が進行していることで、日経平均先物の夜間取引は1万9955円と先週末の大阪先物の引け比5円高程度と動意は少ない。

「7/31〜8/4」の株式展望

今週の日経平均のメインシナリオは、先週と同じ1万9856円から2万300円のレンジを想定している。

日経平均は2万円割れとなったが、チャート的には6月以降のボックス圏である1万9800円から2万0300円のレンジの中の動きである。25日移動平均である2万0074円と5日移動平均線の2万0004円を中心にした動きと言っていい。

円高の懸念は残るものの、日本株の円高への感応度は明らかに下がってきている。日本企業の決算発表が今週から本格化する。現状では予想を上回る企業が多く、個別銘柄を中心に日経平均で2万円割れの水準では押し目買い意欲が高まりそうだ。先週も2度日銀が707億円のETF買いを入れており下値はサポートされる可能性が高い。

一方で、先週も2万200円に近づく局面では国内機関投資家と思われる利益確定売りが拡がった。夏枯れでボラティリティの低下している現状では、なにか大きな材料がでなければ年初来高値を抜くのは難しいだろう。

テクニカルでは、日経平均はボックス圏内で下値は切り上げ、上値は切り下げで三角持ち合いが煮詰まってきている。何か材料次第ではボックスを離れる可能性もあるが、基本的にはボリンジャーバンドの2αである1万9915円から2万0233円での推移になるだろう。

サポートは7月7日安値の1万9856円。レジスタンスは6月20日の年初来高値の2万0318円。

今週の重要なイベントは、8月3日の安倍内閣改造。内閣支持率が調査によっては30%割れになっており現状を打開することができるかが注目。1日からは東芝が東証2部に指定替えで日経平均から除外され、代わりにエプソンが採用される。8月2日から8日までフィリピンでASEAN外相会議。4日のGPIFの4−6月の運用状況発表にも注目が集まりそうだ。

経済指標は、日本では31日の6月の鉱工業生産、1日の新車販売台数がある。海外では31日にユーロ圏7月のCPI、中国の7月の製造業PMI、1日の米6月のPCEコア・デフレーター、7月のISM製造業景況指数、7月自動車販売、ユーロ圏4−6月GDP、2日に米7月のADP雇用統計、4日に米7月の雇用統計がある。米7月雇用統計が最重要。非農業部門雇用者数は17.8万人増、失業率は4.3%がコンセンサス。コンセンサスを上回ればドル高、下回ればドル安になる可能性が高い。欧州のテーパリング議論が高まる中、ユーロ圏CPI、GDPには注目が集まる。

決算発表では、日本の31日のパナソニック、村田、三井住友FG、みずほ、1日のソニー、三菱UFJ、本田、KDDI、2日の三菱商事、3日のSUBARU、三井物産、住友商事、三井不、4日のトヨタ、NTT、三菱地所などが注目。

米決算では1日のアップルが最大の注目。世界のハイテク株の動向を左右する。2日のテスラの決算も世界の電気自動車動向やリチウムバッテリー動向に影響を与えるだけに注目だ。(ZUU online 編集部)

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