オーストラリア法務省が、「アンチ・マネーロンダリング(AML)法」を仮想通貨にも適用する法案成立に向け準備中であると発表した 。

法案成立後、仮想通貨取引所はオーストラリア取引報告分析センターの管轄下に置かれることになる。監視の目を光らせることで、仮想通貨取引に潜む危険性を最小限に食い止める意図だ。

仮想通貨普及環境を整備し、FinTech 産業を促進

オーストラリア法務省の発表によると、今回の決断はAMLおよびテロ資金など犯罪収益移転防止対策強化の一環である。政府は法案を検討している意向を、2016年の時点で明らかにしていた(コインデスクより)。

同年3月には問題視されていたビットコインの二重課税問題の解決に取り組み 、17年5月にはビットコインを貨幣に認定すると同時に、非課税対象とすると決定した。

政府はビットコインをお金と同等の機能を持つものと認め、AML法を再編することで、若干出遅れた感の強かった国内の仮想通貨産業、しいてはFinTech 産業の巻き返しを期待している。

米国では規制強化が複雑化、将来的に統一される可能性は?

仮想通貨の普及に伴う資金決済法の改正は、多数の国・地域で進んでいる。

日本でも仮想通貨が貨幣に定義されており、仮想通貨取引業者の登録や認定資金決済事業者協会への加入、取扱い仮想通貨の情報開示などを 義務づける仮想通貨交換業に関する新たな規制が、4月から導入されている(政府広報オンラインより)。

各機関や各州で法律が異なる米国では規制自体が複雑化しているが、取り締まり自体が厳しくなってきていることは明白だ。

ニューヨーク州では15年から、仮想通貨取引業者に「ビット・ライセンス」の取得が義務づけられているほか、ワイオミング州の仮想通貨取引業者は、ビットコインと同等の価値の法定通貨を準備金として保有すること必須となる。

こうした規制の不均等さが、同国における仮想通貨の普及を妨げているとの意見も聞かれる。

金融犯罪捜査網(FinCEN)などが提案している通り 、取引所の登録や利用者のKYC(新規口座の際の本人確認)やAMLの導入が、全米で現実となる日もそう遠くはないかも知れない。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

( FinTech online編集部

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