定期付終身と更新の仕組み
長々と保険の仕組みをお話ししましたが、ようやくここからが本題です。上の図を見てください。主役の登場です。
一見すると定期保険ですが、うっすら終身保険が見えるのがわかりますか?これがこの記事のタイトルにもなっている定期付終身保険です。いくら小さくても主契約が終身保険だと、これを終身保険と呼んでも良いそうです。
「3,000万円の定期付終身(・・)保険です。これで安心ですね。」と言われれば、3,000万円の終身保険と勘違いしませんか?まさかこんなことになっているとは…。たくさんのお客さまが私の目の前で絶句する姿を見てきました。
さらにこの保険の定期部分には、目を覆いたくなるような悪の機能が付いています。それが更新です。下の図を見てください。
40歳、50歳、60歳でそれぞれ掛金が上がります。若い頃の掛金を抑えるためにこんなことをしています。いくらか?どれもおよそですが、30歳6,000円→40歳10,000円→50歳20,000円→60歳40,000円です。
長年にわたり何百万も払い続けて、最後に受け取れるのは数万円の解約返戻金と新しい保険商品の提案書だけです。
なぜこうなった?
高度成長期からバブル期にかけ、日本の経済は休むことなく成長してきました。株価も市場金利も、そして保険の利率も上がり続けました。
保険の利率が高いと掛金は安くなり、満期金や解約返戻金は多くなります。どこの会社もすばらしい商品を提供できる環境にあったのです。そして良く売れました。
営業に人を雇えば雇っただけ売れました。専門知識などなくても売れました。おのずとセールスの質は落ちます。それにともない顧客の質も落ちました。
そんな土壌が出来上がったところで景気が下降線をたどり始めるわけです。金利が低くなれば保険会社は商品のスペックを下げざるをえません。それでも今までと同じようなセールススタイルでそれなりに売れました。
味をしめた保険会社はどんどん商品スペックを落としてゆきます。落としに落とした成れの果てが今の姿なのです。
まとめ
今やめるともったいないのでは?とよく聞かれますが、3つの保険を思い出してください。養老保険や終身保険の中には、ごくごくまれにやめない方が良いものもあります。大半は今すぐどうぞ。傷が広がらないうちにやめてしまいましょう。
いかがでしたでしょうか。次回は 「健康だとお金が戻る保険」 のお話です。お楽しみに!