決算発表シーズンを控え、注意したいことは?
10月下旬から、3月決算企業の「中間決算」が発表されます。決算発表の前後に業績予想の修正等で株価が大きく振れる可能性がありますので注意が必要です。したがって、保有または売買を検討している銘柄については、少なくとも決算発表予定日等のチェックはしておいた方が良さそうです。なお、SBI証券のWebページでは決算発表スケジュール(図1・図2)や個別企業の決算発表予定日を調べる便利な機能がありますので、ぜひご利用ください。
なお、アナリスト等による決算発表直前の企業取材等に関し、規制が厳しくなっていますので、特に10月以降は3月決算や9月決算の企業について、アナリストによる分析や情報の発信は少なくなると予想されます。このため、決算発表直前の段階では、会社による業績予想の修正発表がない限り、業績の良し悪しを株価に織り込む動きはあまり出てこないと考えられます。逆に、決算発表後は、決算を踏まえた業績を一気に織り込む形が想定され、値動きが大きくなる可能性があります。
こうした中、10/6(金)付の日本経済新聞では表1に掲載された安川電機 <6506> について、今期(2018年2月期)の営業利益が530億円前後(単純計算では前期比76.3%増)になるとの観測記事が掲載されました。もし、記事の通りになれば、会社予想(455億円)を大きく上回る数字になるため、同社株は一時前日比60円高の3,685円まで買われましたが、その後は伸び悩み、結局は前日比55円安で引けています。
この値動きを「好材料出尽くし」と考えることは可能です。ただ、規制の強化により、決算発表直前の段階で取材を行いにくくなるという事情はメディアも同様であると考えられます。
日経の観測記事上で予想された安川電機の2018年2月期の営業利益は市場コンセンサスである537億円と大きな差はないと考えられます。したがって、市場コンセンサスが記事に反映されていると考えることも可能です。同様に、今後メディア等で発信される決算発表直前の業績観測記事については、参考としつつも、過信はしないことも肝要かと思われます。
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
鈴木英之
SBI証券
投資調査部
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