第三四半期決算結果と今期業績予想について

6月に、第三四半期の決算結果がでました。売上高は、23億6,000万円(前年同期比198.5%増)、営業利益7億3,720万円(前年同期は1億6,400万円の営業損失) 四半期純利益は6億9,500万円(前年同期は8,900万円の四半期純損失)の結果をみると前年の赤字からの脱却と2倍近くの売上で今期は一転黒字になる見込みです。

売上高の内訳をみると、モバイルネットワークソリューションが多くを占めており、従来のLTE関連の商品の売上げに加えLTE-Advancedの研究開発費が本格化したことで、これに対応する商品テストソリューションの売上が大幅に伸びた事、またWiMAX対応製品も売り上げが伸びたことも売上を牽引した要因です。

また、IPネットワーク部門においても、イーサネットサービス向けの製品「サービステスタ」の売上増加や新製品のネットワーク監視のパケットキャプチャツール「etherExtractor」の販売が売上に寄与したようです。


海外市場の状況と今後拡大見込みはあるのか?

スマートフォンやタブレット端末などポータブル通信機器の需要拡大に伴い、LTEサービスが世界各地で開始されてきています。今後移動体通信機器については、さらなる高速化、大容量化、サービス品質の向上に向けて、研究開発費と設備投資がさらに本格化していきそうな状況の中で、いかに安くて品質の良いサービスを提供できるか需要は拡大しそうですが、事業者間での加入者獲得競争や、国内の端末メーカーが撤退していく中で、海外市場にどこまで入り込めるかも今後の拡大に影響がありそうです。


アルチザネットワークスの今後の成長予想

次世代ネットワーク(3G)に代わって、新たなLTEネットワークの到来に、スマートフォンやタブレット機器の需要拡大で、しばらく追い風状態で、売上も期待できるでしょう。来期は、5円の配当予想もでています。しかし、ネットワークは常に新しい環境を迫られる必要があり、今後も競合他社や新しいネットワークサービスの開発などをいち早く出していく必要があります。

その為、現状はよい状態でもアルチザネットワークを取り巻く環境は厳しい状況にあります。今後は、売上げを研究開発、設備投資にまわしていかによい技術やサービスを開発できるか、また、世界市場にいかに浸透できるかで今後の会社の立ち位置も変わってくることになるでしょう。

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