この記事は2025年2月7日にSBI証券で公開された「決算発表本格化!好業績銘柄11選」を一部編集し、転載したものです。
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目次
決算発表本格化!好業績銘柄11選
東京株式市場では、日経平均株価が依然、ボックス圏内の動きとなっています。1/27(月)までは一時4万円を超える場面もありましたが、その後は再び38,000~40,000円のボックス圏に押し戻される展開になりました。「Deep Seekショック」、「トランプ関税ショック」という2つのショックに見舞われ、リスク許容度が低下したことが大きな要因と考えられます。
一方、2024年10~12月期の決算発表が進捗しています。1月最終週と2/3(月)~2/5(火)の期間だけで800社近くの会社が発表を終えました。この間、主力企業の多くが発表を行い、2/5(水)には、東証で時価総額トップのトヨタ自動車(7203)が発表を終え、決算発表シーズンは大きな節目を迎えたと考えられます。今の所、業績予想を上方修正する銘柄が目立っている印象ですが、日経平均の予想EPS(1株利益)は横ばい状態となっています。
もっとも、決算発表社数でみれば、2/6(木)~2/14(金)に計2,400社近い企業の発表が残っており、投資家としては息を抜けない日々がもうしばらく、続くことになりそうです。
こうした中、今回の「日本株投資戦略」では、3月決算銘柄を対象に、第3四半期(2024年10~12月期)の業績内容が良好だった銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。
① 東証プライム市場に上場
② 3月に決算期末を予定
③ 10-12月期の決算発表を2/4(火)までに発表
④ 売上高(24.4-12月期)が前年同期比で増収
⑤ 経常利益(同)の通期会社計画に対する進捗率が、直近3期平均より10%pt以上高い
⑥ 経常利益(10-12月期)が前年同期比30%以上増益
⑦ 取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は上記の全条件を満たしています。
掲載は⑤の(4-12月期の経常利益進捗率)と(同・直近3期平均の経常利益進捗率)の差分が大きい順です。
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一部掲載銘柄を解説!
キーコーヒー (2594)~コーヒー大手。価格改定が業績に寄与。会社計画保守的だが、、、
■コーヒー大手。販売先は多岐にわたる
コーヒーの製造・販売大手。1920年(大正9年)、横浜で創業。インドネシアで直営農場の運営も行っています。創業時から一貫し、「品質第一」を行動規範に掲げています。
コーヒー関連事業が売上高構成比89%(24.3期)の主力事業です。うち、食品メーカー等へ卸す原料用が34%、喫茶店等に卸す業務用が33%、家庭用が30%を占めています(同)。
販売先は、生活に馴染み深い大手小売から百貨店、商社、一流ホテルなど多岐にわたります(25.3期上期時点の有報より)。家庭用製品はオンラインでの販売中です。
■「ルノアール」などと提携。ローコストでの開業・運営が可能なFC開業支援も
また、シナジーを見込み、飲食事業にも進出。子会社に洋食チェーンのイタリアントマトや洋菓子・喫茶のアマンドなどが、資本・業務提携先にはルノアールなどが挙げられます。
FC方式での開業支援も行っています。「KEY'S CAFE」では、加盟金、ロイヤリティは一切不要です。さらに、メニューや決済システムなど細部にいたるまでパッケージ化されているため、ローコストでの開業と運営コストの抑制が可能です。FC開業後、同社はコーヒーなどの原料を加盟店向けに販売しています。
■決算内容良好だが、株価の反応は限定的
コロナ禍の行動規制解除後、売上は回復基調ですが、円安やコーヒー豆の値上がり(4年前から約2倍)の影響により、利益が低迷しています。
今期3Q(24.4-12月期)では、売上高603億円(前期比6%増)、経常利益15億円(同9%増)と増収増益。8月から行われた価格改定や、「リプトン」の販路拡大などが寄与しました。通期会社計画の予想経常利益5億円に対し、大きく上振れてますが、上方修正は行われませんでした。同決算では、収益性の回復を示すことができましたが、株価の反応は限定的でした。
25年3月からも価格改定が行われる予定です。家庭用販売製品は小売価格10~20%程度、業務用、直営ショップでの価格改定も順次予定されています。本決算発表では、今期会社計画に対する上振れ着地と、来期の好調な会社計画数値に、期待が募ります。
▽日足チャート(1年)
![キーコーヒー (2594)](https://cdn.zuuonline.com/700/506/VrWGgEvayNsOJxWWdgiYtiTLNEZElohs/d589c97c-252d-4ce6-b5c3-108f4689a78b.png)
▽業績推移(百万円)
![キーコーヒー (2594)](https://cdn.zuuonline.com/700/412/RwqXmcTTpJJgAIWqApLooKCoReYgPTCH/35ca4138-521c-4707-a873-7bcd912c7853.png)
野村不動産ホールディングス (3231)~大手不動産の中では割安感。13期連続で増配実施予定
■大手不動産の一角
1957年に野村證券の資産管理会社として設立され、現在では国内大手不動産の一角を占めています。おもな事業は以下の通りです。
①住宅(24.3期売上構成比47.7%、事業利益構成比33.8%)
マンション(PROUDブランド)・戸建住宅の開発、分譲、賃貸、ホテルの開発、賃貸、運営、シニア向け住宅の賃貸・運営
②都市開発(同28.8%、同40.2%)
オフィスビル・物流施設、商業施設等の開発、賃貸、販売、運営受託、フィットネスクラブ(メガロス)
③海外(同0.6%、同-0.2%)
④資産運用(同1.9%、同7.0%)上場・私募REIT等
⑤仲介・CRE(同6.6%、同11.0%)
⑥運営管理(同14.4%、同8.2%)
■1/30に3Q決算は2桁の増収・増益
1/30(木)に25.3期3Q(累計)決算を発表。売上高5,718億円(前年同期比10%増)、事業利益1,013億円(同26%増)と増収増益でした。主力の住宅部門では、分譲住宅の計上戸数が増加し、平均価格・粗利率が上昇しました。25.3月会社計画は以下の通りで、事業利益が上方修正されました。
※カッコ内は従来予想です。
売上高 7,600億円(7,900億円)
事業利益 1,200億円(1,180億円)
営業利益 1,140億円(修正なし)
経常利益 1,020億円(1,000億円)
純利益 720億円(700億円)
「中計フェーズⅡ」の最終年度である28.3期には事業利益1,400億円を目指しています。25.3期の予想1株配当金は170円で13期連続の増配となる見込みです。25.3期以降はDOE(株主資本配当率)4%以上と配当重視の株主還元方針です。
■大手不動産の中では割安感
おもな投資指標は以下の通りです。カッコ内は他の国内大手不動産(三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産)の単純平均(2/4時点)です。計算に用いた予想EPS、予想1株配当金は会社予想ベースです。
予想PER 10.1倍(14.0倍)
予想配当利回り 4.0%(2.2%)
PBR 1.05倍(1.16倍)
ROE 10.4%(8.5%)
全体的に割安感が目立つ現状といえそうです。
▽日足チャート(1年)
![野村不動産ホールディングス (3231)](https://cdn.zuuonline.com/700/473/tjsQIkyiAaFAJSnvmmbOarGYJLbRMQpb/84881fa0-7ba1-4132-9620-ff76fba62599.png)
▽業績推移(百万円)
![野村不動産ホールディングス (3231)](https://cdn.zuuonline.com/700/381/EgJYVfovsvlOApmCJJQTidKtqFgyDMDO/15631430-70f7-4f7c-be72-921ae3e68268.png)
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。