VISAのIPO時の様子

今回のアリババ上場で、比較されるのが、2008年にアメリカ市場最大の調達額で市場を賑わしたVISAです。179億ドルの調達額で、それまでの最大は、2000年の上場したAT&Tワイレヤスグループで106億円が最高でした。2012年に上場したフェイズブックは、160億ドル、今回のアリババに関しては、200億ドルと見込まれており、ハイテク関連株ではアメリカ市場最大規模となる予定です。

2008年3月にVISAは上場しましたが、その年秋に、世界恐慌となった、リーマンショックが起きました。今回のアリババですが、上場のタイミングは、アメリカのダウ平均、S&P500の最高値等のアメリカの好調時に上場する予定のようです。香港に上場した時も、香港ハンセン指数が最高値を付けた直後に上場していますが、その後にやはりハンセン指数が急落しています。

今回もアメリカの市場が最高値の時に上場するというのは、同じようなタイミングになるようなので、その後の流れが気になる所です。Visaのマーケット環境でも、今回のアマゾンのマーケット環境でもマーケットが盛り上がっている時に上場する所では共通点がみられるようなので、偶然とはいえ気になる所です。


アリババが中国・香港にも上場する?

アリババは、今回の上場に際しての投資家向け説明会を9月3日から始めて、香港とシンガポールから初めてロンドンとニューヨークでも開催する予定としていましたが、9月8日の週の開始を予定しており、IPOの仮条件や、上場も予定の16日をずれ込む様子です。

香港の上場は、7年前、アリババ・ドット・コムで上場を果たしていますが、2012年、親会社のアリババグループによる株式公開買い付け(TOB)により上場廃止になっています。7年前の香港上場時も香港のハンセン指数が最高値をつけた1週間後にIPOを実施しており、今回もアメリカ市場の好調な株価推移をみながら、上場のタイミングを狙っているのではないかといわれています。アリババと強気相場の関係は、強いとみる投資家は多いようです。

アリババは当初、再度香港市場に上場予定だったのですが、幹部が取締役会に一定の権限をもつというアリババの株式保有構造が香港上場の障害となって、上場の承認を得られなかった為、香港市場を断念し、米国市場を選択したようです。アリババの香港上場断念は、香港の金融関係者にとっては大きな痛手という事だったので、香港の規制が緩和されれば上場も話も浮上する可能性はありそうです。


アリババの今後の経営戦略

アリババは、今回の上場資金を投資し、まだ発展途上である中国のインターネット市場への開拓に乗り出す予定のようです。中国でのインターネット普及率は、またまだ少なく開拓の余地がかなりあるという事なので、成長の余地はありそうです。また、アメリカ市場に上場することで、中国企業がどう受け入れられていくのかも気になる所です。

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