損する人、得する人


ではこの積立保険、どんな人が損をして、どんな人が得をするのでしょうか。答えはずばり、「目的が明確でない人」が損をします。そもそも積立保険は老後資金準備のために開発された商品です。遠い将来を見据えての積み立てが目的です。あなたのお財布から出ていくお金のうち、長いあいだコツコツ貯めるものの受け皿がここなのです。

始める時から無理をせず欲張らず、苦しい時もあきらめず、最後まで払っていけるだけの額をキチンと設定することさえ出来れば、損をすることはありません。新しい商品が出ましたよ!とかこっちのほうが利率が良いですよ!に耳を貸さない強い意志も時には必要です。何度も言いますが、大切なのは「目的を明確にする」ことなのです。


こんなことも出来る


ここまで正統派理論を展開してきましたが、ここからは「これを知っているのと知らないのとでは受取額が変わってくるかも知れない」という耳より小ネタをいくつかご紹介します。

(1)途中解約のリスクは高いが、低解約返戻金タイプに魅力を感じる。毎月2万円くらいは出せるけど、最後まで続ける自信もない…。なんて人にはこんな方法がオススメです。

1万円を低解約返戻金型、もう1万円を個人年金型で契約します。もし苦しくて続けられなくなっても、個人年金型だけ解約して、もう片方は頑張って続けると被害は小さく抑えられます。

(2)月々の掛金が苦しい。でも今すぐ大きな額が欲しいわけではない。そんな人は解約せずに払済にしましょう。払済にするとそこから満期までの間も運用は続けられ、少し利息がついた額を満期のタイミングで受け取ることが出来ます。

(3)あまり知られていないことですが、保険には貯金と違って「保険料払込免除特約」という驚くべき優秀な機能が付いています。 例えば交通事故で片脚を失ったとしましょう。あなたは所定の障害状態になってしまったということで今後一切の掛金を払わなくてよくなります。きちんと手続きさえすれば保険契約は満期まで継続され、最初の約束通りの満期金や年金を受け取れます。

生命保険であればどの保険にもこの特約は付いているので、気になる方は約款を調べてみてください。


まとめ


積立保険の仕組みから損する、得するまでを見てきましたがいかがでしたか?保険に限らず、どんな商品も作り出してきたのは人間です。それを使うのも人間です。正しい使い方をすればたくさんの人を幸せに出来るし、使い方を間違えばあなたもあなたの周りも不幸になってしまいます。

せめて保険に関しては不幸な人が増えないことを祈りつつ、これからも正しく役に立つ情報を届け続けたいと思います。